女性と便秘の関係

黄体ホルモンの影響

女性ホルモンには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類があります。

卵胞ホルモンは卵巣内の卵胞を成熟させて排卵・受精に備え、黄体ホルモンは受精卵の着床に備えて子宮内膜を厚くするなど、妊娠の継続をサポートするためのホルモンです。

黄体ホルモンには腸の動きを鈍くする作用があるため、黄体ホルモンの分泌が増える排卵後〜生理の間は、腸のぜん動運動が鈍くなって便を排出しにくくなります。

そのため、この時期に便秘に悩む女性は多いのです。

毎回、生理前10日前後に便秘になって苦しい人は、この期間だけ便秘薬を飲んで解消するのもいいでしょう。

なお、妊婦さんが便秘になりやすいのは、妊娠中もとくに黄体ホルモンの分泌がさかんになるからです。

また、大きくなった子宮が腸を圧迫することも、排便を妨げる原因になっています。

ただし、改善のために妊婦さんが便秘薬を飲みたい場合は、必ず婦人科医に相談しましょう。

胃腸の動きを鈍くする冷え

血液の循環が悪くなり、体の末端まで血液が行き届かなくなるのが冷え性です。

男性は筋肉量が多く、体内で熱をつくりやすいため、冷え性になる人は多くありません。

一方、女性は熱をつくる筋肉が少ないことに加え、寒い季節も手足や首まわりを露出する薄着のファッションで過ごす、ガードルなどで体を締め付けて血行を悪くする、無理なダイエットで自律神経や女性ホルモンのバランスを崩すなど、冷え性につながる条件が揃いやすくなっています。

身体が冷えると内臓も冷えます。すると胃腸の動きも悪くなり、便が腸内に滞って便秘になります。春〜夏より秋〜冬に便秘になりやすい人は、冷えが大きな原因となっています。

体を冷やすファッションを控えたり、腹巻きやカイロでおなかを温めたりと、冷えを取り除くように心がけましょう。

また、夏も冷房の影響で体は予想以上に冷えています。一枚羽織るものを携帯し、冷えを防止しましょう。

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