肺炎随伴性胸膜炎

肺炎随伴性胸膜炎について

概要

肺炎随伴性胸膜炎とは、肺炎をきっかけに、肺を覆う薄い膜である胸膜に炎症が起こる病気です。肺炎の炎症が胸膜まで広がり、胸膜に液体が溜まることがあります。この液体を胸水といいます。

原因

肺炎随伴性胸膜炎の主な原因は、細菌やウイルスによる肺炎です。肺炎球菌、肺炎桿菌、インフルエンザウイルスなどが代表的な原因菌・ウイルスです。これらの病原体が肺に感染し、炎症を起こすことで、周囲の胸膜にも炎症が広がり、胸膜炎を引き起こします。

症状

肺炎随伴性胸膜炎の症状は、肺炎の症状に加えて、以下の症状が現れることがあります。

  • 胸痛: 呼吸をしたり、咳をしたりするときに胸に痛みを感じます。
  • 呼吸困難: 胸水が溜まると、肺が十分に膨らまなくなり、呼吸が苦しくなります。
  • 発熱: 肺炎に伴い、高熱が出ることがあります。
  • 咳: 痰を伴う咳が出ることがあります。
  • 倦怠感: 体だるさや食欲不振など、全身倦怠感を感じることがあります。

診断

肺炎随伴性胸膜炎の診断には、以下の検査が行われます。

  • 胸部X線検査: 肺や胸膜の状態を調べます。胸水がある場合は、肺が圧迫されている様子が見られます。
  • CT検査: 胸部X線検査よりも詳細な画像が得られ、胸水の量や位置を正確に把握することができます。
  • 胸水検査: 胸水を採取して、その成分を調べます。感染の原因となる菌やウイルスを特定することができます。
  • 血液検査: 炎症反応や感染の有無を調べます。

治療

肺炎随伴性胸膜炎の治療は、まず原因となる肺炎の治療が重要です。抗生物質や抗ウイルス薬など、原因菌・ウイルスに有効な薬剤が使用されます。

また、胸水が大量に溜まっている場合は、胸腔穿刺(きょうこうせんし)という方法で胸水を抜くことがあります。胸腔穿刺は、針を胸腔に刺して、溜まっている胸水を抜く処置です。

予防

肺炎随伴性胸膜炎を完全に予防することは難しいですが、以下のことに注意することで、発症リスクを下げることができます。

  • 肺炎の予防: 肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンを接種するなど、肺炎にかからないように予防することが大切です。
  • 健康な生活: 規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動などを心がけ、免疫力を高めましょう。
  • 禁煙: 喫煙は、呼吸器系の疾患のリスクを高めるため、禁煙することが重要です。

肺炎随伴性胸膜炎の注意点

  • 放置は危険: 肺炎随伴性胸膜炎を放置すると、呼吸困難がひどくなったり、肺が萎縮したりするなどの合併症を起こす可能性があります。
  • 早期の治療が大切: 症状が出たら、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

まとめ

肺炎随伴性胸膜炎は、肺炎をきっかけに胸膜に炎症が起こる病気です。胸痛や呼吸困難などの症状が現れることがあり、早期の診断と治療が大切です。肺炎にかからないように予防することが、肺炎随伴性胸膜炎の予防にもつながります。

ご自身の症状について心配な場合は、必ず医師にご相談ください。