高血圧症

高血圧症について

概要

高血圧症とは、血圧が慢性的に高い状態のことです。血圧は、心臓から送り出される血液が血管の壁に与える圧力のこと。高血圧になると、血管に負担がかかり、動脈硬化が進みやすくなります。動脈硬化は、心臓病、脳卒中、腎臓病などの原因となる恐ろしい病気です。

原因

高血圧の原因は、大きく分けて本態性高血圧二次性高血圧の2つがあります。

  • 本態性高血圧: 原因がはっきりしない高血圧で、全体の90%以上を占めます。遺伝的な要因や、塩分過多、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、飲酒などが複雑に絡み合って起こると考えられています。
  • 二次性高血圧: 腎臓病、内分泌疾患、薬剤など、特定の病気や薬が原因で起こる高血圧です。

症状

高血圧は自覚症状がほとんどないことが特徴です。そのため、「静かなる殺人者」とも呼ばれます。しかし、進行すると、以下の症状が現れることがあります。

  • 頭痛: 特に朝起きた時に起こりやすい。
  • めまい: 起立性低血圧を伴う場合がある。
  • 鼻血: 高血圧によって血管が破れることがある。
  • 動悸: 心臓がドキドキする感じがする。

治療法

高血圧の治療は、生活習慣の改善薬物療法の両輪で行われます。

生活習慣の改善

  • 減塩: 塩分を1日6g以下に抑える。
  • バランスの取れた食事: カリウムを多く含む果物や野菜を積極的に摂る。
  • 適度な運動: ウォーキングやジョギングなど、有酸素運動を習慣化する。
  • 体重管理: 肥満の人は、適正体重を目指して減量する。
  • 禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させる。
  • 節酒: 過度の飲酒は血圧上昇を招く。
  • ストレス管理: ストレスを溜めないように、リラックスできる時間を設ける。

薬物療法

生活習慣の改善だけでは血圧がコントロールできない場合、降圧薬を用いた治療を行います。降圧薬には、様々な種類があり、患者さんの状態に合わせて最適な薬が選択されます。

予防

高血圧の予防には、生活習慣の改善が最も重要です。

  • バランスの取れた食事: 塩分を控え、カリウムを多く含む食品を積極的に摂る。
  • 適度な運動: 毎日30分程度の運動を習慣化する。
  • 体重管理: 肥満を防ぐ。
  • 禁煙: 喫煙は様々な病気のリスクを高める。
  • 節酒: 過度の飲酒は高血圧だけでなく、他の健康問題も引き起こす。
  • 定期的な健康診断: 高血圧は自覚症状がないため、定期的な健康診断を受けることが大切。

高血圧が放置されるとどうなる?

高血圧を放置すると、以下の合併症を引き起こすリスクが高まります。

  • 脳卒中: 脳の血管が破れたり、詰まったりして、半身麻痺や言語障害などの後遺症が残る可能性があります。
  • 心筋梗塞: 心臓の血管が詰まり、心筋が壊死する病気です。
  • 狭心症: 心臓に酸素が不足して胸が痛む病気です。
  • 大動脈解離: 大動脈が破れることで、命に関わる危険性があります。
  • 腎不全: 腎臓の機能が低下し、透析が必要になることがあります。

まとめ

高血圧は、自覚症状がないことが多いですが、放置すると命に関わる合併症を引き起こす可能性がある怖い病気です。高血圧を予防し、健康な生活を送るためには、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、節酒などの生活習慣を心掛けることが大切です。