バージャー病

バージャー病について

バージャー病、正式には閉塞性血栓性血管炎(thromboangiitis obliterans, TAO)は、主に若い男性の喫煙者にみられる、四肢の動脈に炎症が起こり、血栓ができて血管が詰まる病気です。これにより、手足への血流が悪くなり、痛みや潰瘍、壊死といった症状が現れます。

原因

バージャー病の明確な原因は未だ解明されていませんが、喫煙との深い関連性が指摘されています。喫煙によって血管内皮が損傷を受け、免疫反応が過剰に起こり、血管炎を引き起こすという説が有力です。

症状

バージャー病の症状は、進行するにつれて悪化していきます。主な症状は以下の通りです。

  • 間歇性跛行: 運動すると足が痛くなり、安静にすると痛みが和らぐ症状です。
  • 冷感: 手足が冷たく感じられます。
  • しびれ感: 手足にしびれを感じることがあります。
  • 疼痛: 手足に痛みを感じます。
  • 潰瘍・壊疽: 手足の先端などに潰瘍や壊死が生じることがあります。
  • レイノー現象: 寒さや精神的なストレスによって、指先やつま先が白くなり、その後青白くなり、最後に赤くなる現象です。

診断

バージャー病の診断は、病歴、症状、身体診察、そして以下の検査に基づいて行われます。

  • 血管造影: 血管の状態を直接観察する検査です。
  • 末梢動脈ドップラー検査: 血流速度を測定する検査です。
  • 磁気共鳴血管造影 (MRA): 非侵襲的に血管の状態を評価する検査です。

治療

バージャー病の治療は、根本的な治療法はまだ確立されていませんが、症状の緩和と病状の進行を遅らせるための治療が行われます。

  • 禁煙: これは最も重要な治療法です。喫煙を続ける限り、病気が進行する可能性が高くなります。
  • 薬物療法: 血管拡張薬、血小板凝集抑制薬などが使用されます。
  • 外科療法: 血管バイパス手術や血管拡張術などが行われる場合もあります。
  • 疼痛管理: 痛みをコントロールするために、鎮痛薬や神経ブロックなどが使用されます。

予防

バージャー病の最も効果的な予防法は、禁煙です。喫煙は、バージャー病の発症リスクを大幅に高めるだけでなく、病状の悪化にもつながります。

バージャー病と生活

バージャー病と診断された患者さんは、以下の点に注意して生活を送ることが重要です。

  • 保温: 手足を温かく保つようにしましょう。
  • 運動: 医師の指導の下、適度な運動を行いましょう。
  • ストレス管理: ストレスを溜めないようにしましょう。
  • 定期的な通院: 定期的に医師の診察を受け、治療を続けましょう。

まとめ

バージャー病は、早期発見・早期治療が重要です。症状を感じたら、早めに医師に相談しましょう。禁煙を徹底し、医師の指示に従って治療を続けることで、症状の悪化を遅らせ、QOLの向上を目指しましょう。

注意: この情報は一般的な情報であり、個々の患者さんの状態によって治療法は異なります。必ず医師にご相談ください。

『カイテキオリゴ』