萎縮性胃炎

萎縮性胃炎について

萎縮性胃炎とは?

萎縮性胃炎とは、胃の粘膜が慢性的に炎症を起こし、その結果、胃の粘膜が薄くなり、胃酸を分泌する細胞が減ってしまう病気です。胃の粘膜が萎縮することで、消化機能が低下したり、栄養吸収が悪くなったりする可能性があります。また、放置すると胃がんに進行するリスクも高まるため、注意が必要です。

萎縮性胃炎の原因

萎縮性胃炎の主な原因として、以下のものが挙げられます。

  • ピロリ菌感染: ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が胃に感染することで、慢性的な炎症を引き起こし、萎縮性胃炎へと進行することが多いです。
  • 自己免疫性胃炎: 自身の免疫システムが胃の粘膜を攻撃することで、炎症が起こり、萎縮性胃炎になることがあります。
  • 薬剤性胃炎: 長期間の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用などが原因となることがあります。

萎縮性胃炎の症状

萎縮性胃炎は、初期の段階では自覚症状がないことが多いですが、進行すると以下の様な症状が現れることがあります。

  • 上腹部不快感: 胃もたれ、膨満感、みぞおちの痛みなど
  • 食欲不振: 食欲が減退したり、食べるとすぐにお腹が一杯になる
  • 貧血: ビタミンB12の吸収が悪くなり、貧血になることがあります
  • 下痢: 消化不良により、下痢になることがあります

萎縮性胃炎の診断

萎縮性胃炎の診断には、以下の検査が行われます。

  • 血液検査: 貧血や炎症の有無を調べます。
  • 便潜血検査: 出血の有無を調べます。
  • 胃内視鏡検査: 胃カメラを用いて、胃の粘膜の状態を直接観察し、生検を行います。
  • ピロリ菌検査: 呼気検査や便検査などを行い、ピロリ菌の感染の有無を調べます。

萎縮性胃炎の治療

萎縮性胃炎の治療は、原因によって異なります。

  • ピロリ菌感染が原因の場合: 抗生物質と胃酸分泌抑制剤を組み合わせて、ピロリ菌を根絶します。
  • 自己免疫性胃炎の場合: 免疫抑制剤やステロイド剤を用いることがあります。
  • 薬剤性胃炎の場合: 原因となる薬剤の使用を中止したり、胃粘膜保護剤を使用したりします。

萎縮性胃炎の予防

萎縮性胃炎の予防には、以下のことが大切です。

  • ピロリ菌感染予防: ピロリ菌に感染しないように、衛生面に注意しましょう。
  • バランスの取れた食事: ビタミンやミネラルをバランスよく摂り、胃に負担をかけない食事を心がけましょう。
  • 規則正しい生活: ストレスを溜めないように、規則正しい生活を心がけましょう。
  • 定期的な健康診断: 早期発見のため、定期的に胃内視鏡検査を受けることをおすすめします。

萎縮性胃炎と胃がん

萎縮性胃炎は、そのまま放置すると胃がんに進行するリスクが高まります。特に、腸上皮化生という状態になると、胃がんのリスクがさらに高まります。そのため、定期的な検査を受け、早期発見・早期治療を行うことが重要です。

まとめ

萎縮性胃炎は、早期発見・早期治療が大切です。症状がない場合でも、定期的な健康診断を受けることをおすすめします。もし、胃の不調が続く場合は、早めに医師に相談しましょう。

【注意点】

  • この情報は一般的な情報であり、個人の症状や状態によって治療法は異なります。
  • 症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。