ビタミン欠乏症

ビタミン欠乏症の概要

ビタミン欠乏症とは、体内に必要なビタミンが不足することで起こる病気の総称です。ビタミンは、体内で合成できないため、食事などから摂取する必要があります。しかし、偏食や吸収不良、過度の運動などにより、必要なビタミンを十分に摂ることができない場合に、ビタミン欠乏症が発症します。

ビタミン欠乏症の原因

ビタミン欠乏症の原因は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

  1. 栄養摂取不足:

    • 偏食: 特定の食品しか食べない、あるいは特定の栄養素が不足した食事を続けること。
    • ダイエット: 過度なダイエットにより、必要な栄養素が不足することがあります。
    • 貧困: 食料が十分に得られない状況では、ビタミン欠乏症のリスクが高まります。
  2. 吸収不良:

    • 消化器疾患: 胃腸の病気などにより、食物からのビタミンの吸収が妨げられることがあります。
    • 薬剤の副作用: 一部の薬剤は、ビタミンの吸収を阻害することがあります。
  3. 増加した需要:

    • 妊娠・授乳: 妊娠中や授乳中は、胎児や乳児の成長のために、通常の量のビタミンが必要となります。
    • 成長期: 子供の成長期には、大人のよりも多くのビタミンが必要となります。
    • 病気: 一部の病気は、ビタミンの消費量を増やしたり、吸収を阻害したりすることがあります。

ビタミン欠乏症の症状

ビタミン欠乏症の症状は、欠乏しているビタミンの種類によって異なります。一般的な症状としては、以下のようなものがあります。

  • 疲労感: 全身のだるさ、倦怠感
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 皮膚の異常: 皮膚の乾燥、湿疹、脱毛など
  • 神経症状: しびれ、痛み、麻痺など
  • 消化器症状: 下痢、便秘、腹痛など

それぞれのビタミン欠乏症でみられる特徴的な症状については、後述します。

ビタミン欠乏症の治療法

ビタミン欠乏症の治療法は、欠乏しているビタミンを補給することが基本です。

  • 経口投与: ビタミン剤を服用することで、不足しているビタミンを補給します。
  • 注射: 重症の場合や、経口摂取が困難な場合は、注射によりビタミンを補給します。

各ビタミンの欠乏症とその症状

ビタミン 欠乏症 主な症状
ビタミンA 夜盲症、乾燥皮膚、免疫力の低下 暗所で視力低下、皮膚が乾燥しカサカサする、感染症にかかりやすい
ビタミンB1 脚気 疲労感、食欲不振、末梢神経障害(手足のしびれ、痛みなど)
ビタミンB2 口角炎、舌炎 口角が切れる、舌が赤く腫れる
ビタミンB12 巨赤芽球性貧血 疲労感、息切れ、舌がなめらかになる
ビタミンC 壊血病 歯ぐきからの出血、皮膚の出血斑、疲労感
ビタミンD 骨軟化症、くる病 骨の軟化、変形、筋肉痛
ビタミンE 神経障害、溶血性貧血 末梢神経障害、赤血球が壊れる

ビタミン欠乏症の予防

ビタミン欠乏症を予防するためには、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。

  • 様々な食品をバランス良く食べる: 特定の食品に偏らず、肉、魚、野菜、果物など、様々な食品をバランス良く摂取しましょう。
  • 旬の食材を積極的に取り入れる: 旬の食材は栄養価が高く、ビタミンを豊富に含んでいることが多いです。
  • 加工食品の摂りすぎに注意: 加工食品は栄養素が破壊されている場合があるため、過剰な摂取は避けましょう。

まとめ

ビタミン欠乏症は、様々な症状を引き起こす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。バランスの取れた食事を心掛け、定期的な健康診断を受けることで、ビタミン欠乏症を予防することができます。

もし、上記の症状が気になる場合は、医師にご相談ください。