脱水症とは?
脱水症とは、体内の水分が不足し、体液バランスが崩れてしまう状態を指します。体内の水分は、様々な生命活動に不可欠な役割を担っており、これが不足すると、様々な不調を引き起こします。
脱水症の原因
脱水症の原因は、大きく分けて以下の2つが考えられます。
- 水分摂取量の減少:
- 高齢者や意識障害のある人など、自力で水分を摂取できない場合
- 熱中症や発熱などにより、大量の汗をかいた場合
- 下痢や嘔吐を繰り返す場合
- 腎臓病など、尿量が増える病気の場合
- 水分喪失量の増加:
- 激しい運動や高温環境下での活動による大量の発汗
- 下痢や嘔吐による水分喪失
- 尿量が増える病気(糖尿病など)
- 重度のやけどなど
脱水症の症状
脱水症の症状は、脱水度合によって異なります。
- 軽度: 口渇、倦怠感、めまい、頭痛、尿量の減少
- 中等度: 脈拍数や呼吸数の増加、血圧低下、皮膚の乾燥、意識混濁
- 重度: 意識障害、痙攣、ショック
脱水症の治療法
脱水症の治療法は、脱水度合によって異なります。
- 軽度: 口からの水分補給で十分な場合が多いです。経口補水液やスポーツドリンクなどが有効です。
- 中等度~重度: 静脈内への点滴による水分補給が必要になります。電解質のバランスも考慮して、適切な輸液が行われます。
脱水症の予防
脱水症を予防するためには、以下の点に注意しましょう。
- こまめな水分補給: 特に暑い日や運動の前後、病気などで下痢や嘔吐をしている場合は、こまめに水分を補給しましょう。
- バランスの取れた食事: 食事で水分を補給することも大切です。
- 室温・湿度の管理: 特に高齢者や乳幼児は、室温や湿度を適切に保ちましょう。
- 病気の早期治療: 下痢や嘔吐などの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
- 高齢者への配慮: 高齢者は、のどの渇きを感じにくかったり、水分摂取量が減ったりするため、周囲の人たちが注意深く水分補給を促すことが大切です。
脱水症になりやすい人
- 高齢者: 腎機能の低下、のどの渇きを感じにくい、運動量が減少しているなど、脱水になりやすい要因が複数重なることがあります。
- 乳幼児: 体表面積が体重に比べて大きく、水分が失われやすいこと、病気になった際に症状が急変しやすいことなどから、脱水になりやすいです。
- 激しい運動をする人: 汗を大量にかくため、水分補給が大切です。
- 病気の人: 糖尿病、腎臓病、下痢、嘔吐などを患っている人は、脱水になりやすいです。
脱水症の注意点
- 経口補水液: 市販の経口補水液は、水分と電解質のバランスが整っており、脱水症状の改善に役立ちます。しかし、医師や薬剤師に相談せずに、大量に摂取することは避けてください。
- スポーツドリンク: スポーツドリンクは、ナトリウムなどの電解質を含んでいますが、糖分も多いため、飲み過ぎるとかえって体に負担をかけることがあります。
- お茶やコーヒー: カフェインには利尿作用があるため、脱水症状の時は控える方が良いでしょう。
まとめ
脱水症は、早期に適切な処置を行えば、多くの場合回復します。しかし、重症化すると命に関わることもあります。こまめな水分補給を心がけ、脱水症にならないように注意しましょう。
もし、脱水症状が疑われる場合は、早めに医療機関を受診してください。