腺腫様甲状腺腫とは?
腺腫様甲状腺腫は、甲状腺に複数のこぶ(結節)ができる病気です。甲状腺全体が腫れることもあります。これらのこぶは、通常、がんではなく良性のものが多いですが、まれにがんに変わる可能性もあります。
腺腫様甲状腺腫の原因
明確な原因は解明されていませんが、以下の要因が関係していると考えられています。
- ヨウ素不足: ヨウ素は甲状腺ホルモンを作るために必要なミネラルです。ヨウ素が不足すると、甲状腺が過剰に働き、腫れてしまうことがあります。
- 遺伝的要因: 家族に甲状腺疾患を持つ人がいる場合、発症リスクが高まる可能性があります。
- 自己免疫疾患: 自己免疫疾患との関連も指摘されています。
- 環境要因: 放射線被曝や特定の化学物質などが、リスクを高める可能性が考えられています。
腺腫様甲状腺腫の症状
多くの場合は、初期には自覚症状がありません。しかし、腫瘍が大きくなるにつれて、以下の症状が現れることがあります。
- 首の腫れ: 首の前側にこぶができて、見た目に変化が現れます。
- 呼吸困難: 腫瘍が大きくなると、気道を圧迫し、呼吸が苦しくなることがあります。
- 飲み込みづらさ: 食道が圧迫されると、飲み込む際に違和感や痛みを感じることがあります。
- 声の変化: 喉頭が圧迫されると、声がかすれることがあります。
- 動悸、息切れ: 甲状腺ホルモンの分泌量が増加すると、動悸や息切れを感じることがあります。
腺腫様甲状腺腫の診断
腺腫様甲状腺腫の診断には、以下の検査が行われます。
- 触診: 医師が首を触って、腫瘍の大きさや硬さなどを調べます。
- 超音波検査: 腫瘍の大きさや数、内部構造などを詳しく調べます。
- 甲状腺シンチグラフィ: 放射性ヨウ素を用いて、甲状腺の機能や腫瘍の性質を調べます。
- 血液検査: 甲状腺ホルモンの値や、腫瘍マーカーなどを調べます。
- 針生検: 腫瘍の一部を採取して、顕微鏡で詳しく調べます。
腺腫様甲状腺腫の治療
治療法は、腫瘍の大きさ、数、機能、患者さんの年齢や症状などによって異なります。
- 経過観察: 小さな良性の腫瘍で、症状がない場合は、定期的に検査を行いながら経過を観察することがあります。
- 薬物療法: 甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬や、ヨウ素製剤などが使用されることがあります。
- 手術: 腫瘍が大きく、症状が出ている場合や、がんの可能性がある場合は、手術で腫瘍を摘出することがあります。
- 放射線治療: 再発した腫瘍に対して、放射線治療が行われることがあります。
腺腫様甲状腺腫の予防
明確な予防法はありませんが、以下のことに注意することで、リスクを減らすことができます。
- ヨウ素の摂取: 海藻類など、ヨウ素を多く含む食品をバランスよく摂取しましょう。
- 定期的な健康診断: 定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療につながります。
- 放射線被曝の回避: 不必要な放射線被曝は避けましょう。
まとめ
腺腫様甲状腺腫は、早期発見・早期治療が大切です。症状がない場合でも、定期的な健康診断を受けることをおすすめします。もし、首にこぶを感じたり、気になる症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
免責事項: この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。