副甲状腺がんとは?
副甲状腺がんは、副甲状腺という小さな内分泌腺に発生する悪性腫瘍です。副甲状腺は、カルシウムの恒常性を維持するために重要な役割を果たしており、副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌しています。副甲状腺がんでは、このPTHが過剰に分泌されることで、高カルシウム血症という状態を引き起こします。
原因
副甲状腺がんの原因は、まだ完全には解明されていません。遺伝的な要因や環境要因が関与していると考えられていますが、具体的なメカニズムは不明です。
症状
副甲状腺がんの初期症状は、特異的なものがなく、他の病気と間違えやすいことが特徴です。高カルシウム血症によって、以下の症状が現れることがあります。
- 骨の症状: 骨痛、骨がもろくなり骨折しやすくなる、骨変形
- 腎臓の症状: 多尿、頻尿、腎結石
- 消化器症状: 食欲不振、便秘、悪心、嘔吐
- 神経症状: 倦怠感、筋肉の痛み、精神錯乱、うつ状態
- その他: 高血圧、頻脈
これらの症状は、進行するにつれて徐々に悪化していく傾向があります。
診断
副甲状腺がんの診断には、以下の検査が行われます。
- 血液検査: カルシウム濃度、PTH濃度、クレアチニン値などを測定します。
- 画像検査: 超音波検査、CT検査、MRI検査、PET-CT検査などを行い、副甲状腺腫瘍の有無や大きさを確認します。
- 生検: 腫瘍組織を採取し、顕微鏡でがん細胞を確認します。
治療
副甲状腺がんの治療は、手術が中心となります。早期発見・早期治療が重要で、がんの進行度や患者の状態に合わせて、以下の手術が行われます。
- 副甲状腺全摘術: 全ての副甲状腺を摘出する手術です。
- 部分切除術: 腫瘍のある部分だけを切除する手術です。
手術後には、低カルシウム血症になるリスクがあるため、カルシウム製剤やビタミンD製剤を服用する必要があります。
予防
副甲状腺がんの明確な予防法は確立されていませんが、定期的な健康診断を受けることで、早期発見に繋がる可能性があります。特に、高カルシウム血症のリスク因子を持っている人は、注意が必要です。
まとめ
副甲状腺がんは、早期発見が難しい病気ですが、早期に発見し適切な治療を行うことで、予後を改善することができます。もし、上記の症状に心当たりのある場合は、早めに医師に相談しましょう。
注意点
- この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。
- 自宅での診断や治療は行わないでください。