唾液腺がんとは?
唾液腺がんは、唾液を分泌する唾液腺に発生する悪性腫瘍(がん)です。唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺などの大唾液腺と、口腔内の粘膜などに散在する小唾液腺があります。これらのいずれかに発生する可能性があります。
原因
唾液腺がんの原因は、まだ完全に解明されていません。しかし、以下の要因が関係している可能性が指摘されています。
- 遺伝的要因: 一部の家族に唾液腺がんが多発するケースがあり、遺伝的な要因が関与している可能性があります。
- 環境要因: 放射線や化学物質への曝露が、発がんのリスクを高める可能性が指摘されています。
- ウイルス感染: 一部のウイルス感染が、唾液腺がんの発症に関与している可能性も考えられています。
症状
唾液腺がんの初期症状は、痛みを伴わないこぶが触れることです。特に、耳の下や顎の下にこぶができることが多いです。
主な症状
- 無痛性のしこり: これが最も一般的な症状です。
- 顔面の麻痺: 顔面神経が腫瘍に圧迫されることで、顔の片側が動きにくくなることがあります。
- 痛み: 腫瘍が大きくなったり、神経を圧迫したりすることで、痛みを感じる場合があります。
- 開口障害: 口が開きにくくなることがあります。
- 耳鳴り: 腫瘍が耳の神経を圧迫することで、耳鳴りが起こることがあります。
診断
唾液腺がんの診断には、以下の検査が行われます。
- 触診: 腫瘍の大きさや硬さなどを触診で調べます。
- 画像検査: CT検査やMRI検査で、腫瘍の大きさ、位置、周囲の組織との関係などを詳しく調べます。
- 生検: 腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で調べてがん細胞を確認します。
治療
唾液腺がんの治療法は、腫瘍の種類、大きさ、位置、患者の年齢や全身状態などを考慮して決定されます。
- 手術: 腫瘍を切除する治療が基本となります。早期の段階であれば、腫瘍を完全に切除できる可能性が高く、予後も良好です。
- 放射線療法: 手術の前後に行われることがあります。腫瘍を縮小させたり、残存がん細胞を殺したりする目的で行われます。
- 化学療法: 再発や転移したがんに対して行われることがあります。
- 標的治療: 特定の分子を狙ってがん細胞を攻撃する治療法です。
予防
唾液腺がんを完全に予防する方法はありませんが、以下のことに注意することで、リスクを減らすことができます。
- 定期的な健康診断: 定期的に歯科検診や耳鼻咽喉科検診を受けることで、早期発見に繋がります。
- 禁煙: 喫煙は、様々な種類の癌のリスクを高めることが知られています。
- バランスの取れた食事: ビタミンやミネラルをバランスよく摂取し、免疫力を高めましょう。
- 放射線への過度な曝露を避ける: 放射線は発がんのリスクを高める可能性があるため、不必要な放射線への曝露は避けましょう。
まとめ
唾液腺がんは、早期発見・早期治療が大切です。痛みを伴わないこぶができた場合は、早めに医師に相談しましょう。
最後に
この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。