五十肩の症状
主な症状
- 肩の痛み:安静時、動作時、夜間など、さまざまな場面で痛みを感じます。
- 可動域制限:腕を上げたり、背中に回したりするなど、肩の動きが制限されます。日常生活で不便を感じることが多くなります。
痛みの種類
- 安静時痛:何もしていなくても肩に痛みを感じます。
- 動作時痛:腕を動かすと肩に痛みを感じます。
- 夜間痛:夜間、寝ているときに肩の痛みで目が覚めることがあります。
症状の経過
五十肩の症状は、一般的に以下の3つの時期に分けられます。
- 急性期(炎症期):発症から2週間~3か月程度。肩の痛みが強く、安静時や夜間にも痛みを感じることがあります。
- 慢性期(拘縮期):2か月~1年程度。痛みは徐々に落ち着きますが、肩の可動域制限が顕著になります。
- 回復期:半年~2年程度。肩の可動域が徐々に改善し、日常生活での支障も少なくなります。
日常生活への影響
五十肩の症状は、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。
- 睡眠障害:夜間の痛みで眠れない、または眠りが浅くなることがあります。
- 着替えや入浴の困難:腕を上げたり、背中に回したりする動作が制限されるため、着替えや入浴が困難になります。
- その他:洗濯物を干す、高い所の物を取る、車の運転などの日常生活動作に支障をきたします。
五十肩の原因
医学的な原因
- 肩関節周囲の炎症
- 肩関節を構成する腱板、滑液包、関節包などの組織に炎症が起こることが主な原因と考えられています。
- これらの組織が炎症を起こすことで、痛みや可動域制限が生じます。
- 腱板や滑液包の変性
- 加齢に伴い、腱板や滑液包などの組織が変性し、炎症を起こしやすくなることがあります。
リスク因子
- 加齢
- 50歳代に多く発症することから、加齢が大きなリスク因子と考えられています。
- 生活習慣
- 運動不足や同じ姿勢での作業など、肩に負担をかける生活習慣もリスクを高める可能性があります。
- 姿勢
- 猫背などの悪い姿勢は、肩関節への負担を増加させ、五十肩の発症につながることがあります。
- その他、糖尿病、甲状腺疾患、心臓病などの疾患も五十肩のリスク因子となる場合があります。
誤解されやすい原因
- 首や背中の問題との関連性
- 首や背中の問題が五十肩の原因となることは稀ですが、これらの問題が五十肩の症状を悪化させることはあります。
- 肩こりと五十肩は、症状が似ているため勘違いされる事がありますが、全くの別物です。
- 五十肩は、日常生活での軽微な損傷が原因となる事も多く、はっきりとした原因が特定できない場合が多いです。
五十肩の治療法
保存療法
- 安静
- 急性期には、肩の安静が重要です。無理な運動や肩に負担のかかる動作は避けましょう。
- 薬物療法
- 鎮痛剤や湿布などを使用し、痛みを緩和します。
- 痛みが強い場合には、ステロイド注射を行うこともあります。
- リハビリテーション
- 痛みが落ち着いてきたら、リハビリテーションを開始します。
- 運動療法:肩の可動域を広げるためのストレッチや、筋力トレーニングを行います。
- 物理療法:温熱療法や電気療法などを行い、痛みの緩和や血行促進を図ります。
手術療法
- 保存療法で十分な効果が得られない場合や、重度の可動域制限がある場合には、手術療法が検討されます。
- 関節鏡視下手術:関節鏡を使用し、癒着した関節包を剥離したり、炎症を起こしている組織を切除します。
民間療法
- 鍼灸、マッサージ、整体など:これらの治療法は、痛みの緩和や筋肉の緊張をほぐす効果が期待できますが、医学的な根拠は十分ではありません。
- 民間療法を検討する際は、必ず医師に相談し、信頼できる施術者を選びましょう。
治療の期間と経過
- 五十肩の回復には、数か月から1年、場合によっては2年以上かかることもあります。
- 治療の経過は個人差が大きく、早期に回復する人もいれば、長期間症状が続く人もいます。
- 根気強くリハビリテーションを続けることが、回復への近道となります。
再発予防
- 正しい姿勢を保つことや、適度な運動を心がけることが、再発予防につながります。
- 肩に負担のかかる動作は避け、重い荷物を持つ際には注意が必要です。
- 定期的に肩のストレッチを行い、柔軟性を保つことも大切です。
五十肩の予防法
日常生活での注意点
- 正しい姿勢を保つ
- 猫背などの悪い姿勢は、肩関節への負担を増加させ、五十肩の発症につながることがあります。
- デスクワークやスマートフォンを使用する際は、背筋を伸ばし、正しい姿勢を保つように心がけましょう。
- 適度な運動を心がける
- 適度な運動は、肩関節の柔軟性を保ち、血行を促進することで、五十肩の予防に役立ちます。
- ウォーキングや水泳など、全身を使う運動を定期的に行うと良いでしょう。
- 肩への負担を軽減する
- 重い荷物を持つ際は、片方の肩に負担がかからないように、両肩に分散して持つようにしましょう。
- 長時間同じ姿勢での作業は避け、こまめに休憩を取り、肩を動かすようにしましょう。
予防のための運動
- 肩のストレッチ
- 肩甲骨を動かすストレッチや、肩関節を回す運動など、肩周りの筋肉を柔軟にするストレッチを行いましょう。
- お風呂上りなど、体が温まっているときに行うと効果的です。
- 筋力トレーニング
- 肩周りの筋肉を鍛えることで、肩関節の安定性を高め、五十肩の予防につながります。
- 軽いダンベル運動や、チューブを使ったトレーニングなどを行いましょう。
定期的なチェック
- 早期発見、早期治療の重要性
- 五十肩は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の悪化を防ぎ、早期回復につながります。
- 肩に違和感を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
五十肩と間違えやすい病気
- 腱板断裂
- 腱板とは、肩の関節を安定させ、動きを滑らかにする腱の集まりです。
- 腱板が断裂すると、肩の痛みや可動域制限が生じ、五十肩と間違えやすいです。
- 腱板断裂は、外傷や加齢などが原因で起こります。
- 頚椎症
- 頚椎(首の骨)の変形や椎間板ヘルニアなどが原因で、首や肩に痛みやしびれが生じる病気です。
- 五十肩と症状が似ているため、間違えやすいことがあります。
- 変形性肩関節症
- 肩関節の軟骨がすり減り、変形することで痛みや可動域制限が生じます。
- 加齢に伴い発症しやすく、五十肩と間違えやすいです。
- その他、関節リウマチ、石灰沈着性腱板炎、腫瘍なども、五十肩と間違えやすい病気です。