進行性指掌角皮症

概要

進行性指掌角皮症、一般的には「手荒れ」として知られるこの疾患は、主に手、特に指先や手のひらに現れる慢性的な皮膚の炎症です。水仕事が多い主婦や、美容師、医療従事者など、職業柄手を使う機会が多い人に多くみられます。

原因

進行性指掌角皮症の原因は、まだ完全に解明されていませんが、以下の要因が複合的に作用していると考えられています。

  • 水仕事: 水に長時間触れることで、皮膚の脂質が洗い流され、バリア機能が低下します。
  • 洗剤や化学物質: 洗剤や消毒液などの化学物質が皮膚を刺激し、炎症を引き起こします。
  • アレルギー: アレルギー体質の人や、特定の物質にアレルギー反応を示す場合、手荒れを起こしやすくなります。
  • アトピー性皮膚炎: アトピー性皮膚炎の患者さんは、手荒れを併発しやすい傾向があります。
  • 遺伝的要因: 家族に手荒れの人がいる場合、遺伝的な素因が考えられます。

症状

進行性指掌角皮症の症状は、人によって様々ですが、一般的な症状としては以下のようなものがあります。

  • 乾燥: 手がカサカサになり、ひび割れが生じます。
  • 赤み: 皮膚が赤くなり、炎症を起こします。
  • 痒み: 強い痒みを感じることがあります。
  • 皮むけ: 皮膚が剥がれ落ち、かさぶたができることがあります。
  • 痛み: ひどい場合は、痛みを伴うこともあります。

初期には指先から始まり、徐々に手のひら全体に広がることもあります。症状は季節や体調によって変動し、冬場や体調が悪いときに悪化する傾向があります。

治療法

進行性指掌角皮症の治療法は、症状の程度や原因によって異なります。

  • 保湿: 皮膚の乾燥を防ぐために、こまめな保湿が重要です。
  • ステロイド外用薬: 炎症を抑えるために、ステロイド外用薬が使用されます。
  • 非ステロイド外用薬: カルシポトリオール軟膏など、ステロイド以外の外用薬も使用されます。
  • 免疫抑制剤: 重症の場合には、免疫抑制剤の内服が検討されます。
  • 湿潤療法: 傷口を乾燥させずに湿潤な状態を保ち、治癒を促進させる治療法です。

予防

進行性指掌角皮症を予防するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 手袋の着用: 水仕事をする際は、必ずゴム手袋を着用しましょう。
  • 洗剤の種類: 中性洗剤を選び、なるべく刺激の少ない洗剤を使用しましょう。
  • 保湿: こまめにハンドクリームなどを塗って、皮膚を保湿しましょう。
  • 乾燥を避ける: 暖房器具などによる乾燥にも注意しましょう。
  • アレルギー物質との接触を避ける: アレルギーの原因となる物質との接触を避けるようにしましょう。

生活習慣の改善

  • バランスの取れた食事: ビタミンやミネラルをバランスよく摂り、免疫力を高めましょう。
  • 十分な睡眠: 睡眠不足は、皮膚の再生を妨げ、症状を悪化させる可能性があります。
  • ストレスを溜めない: ストレスは、皮膚の症状を悪化させることがあります。
  • 禁煙: 喫煙は、皮膚の血行を悪くし、治癒を遅らせる可能性があります。

まとめ

進行性指掌角皮症は、慢性的な皮膚疾患ですが、適切な治療と予防を行うことで、症状を改善し、日常生活に支障が出ないようにすることができます。もし、手荒れに悩んでいる場合は、皮膚科を受診し、専門医の診断と治療を受けることをおすすめします。

【ご留意事項】 この情報は、一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。