紫斑病

紫斑病とは?

紫斑病とは、皮膚や粘膜に赤紫色の斑点(紫斑)が現れる病気の総称です。これらの斑点は、血管の壁が弱くなり、血液が漏れ出すことで生じます。原因は様々で、軽度のものから重篤なものまで幅広く存在します。

紫斑病の原因

紫斑病の原因は多岐にわたりますが、大きく以下のものに分けられます。

  • 血小板の異常: 血小板は血液を凝固させる役割を担っており、血小板の数が減少したり、機能が低下したりすることで紫斑が生じることがあります。
  • 血管の異常: 血管壁が弱くなったり、炎症を起こしたりすることで、血液が漏れやすくなり、紫斑が出現します。
  • 血液凝固因子の異常: 血液が凝固する過程に関わる血液凝固因子の異常も、紫斑の原因となります。

主な原因となる疾患

  • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP): 原因不明で血小板が減少する病気です。
  • IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病): 血管に炎症が起こる病気で、子どもに多くみられます。
  • 血友病: 血液が凝固しにくい遺伝性の病気です。
  • 血管炎: 血管に炎症が起こる病気の総称で、様々な原因で起こります。
  • 薬剤性紫斑: 特定の薬剤が原因で起こる紫斑です。

紫斑病の症状

紫斑病の症状は、原因となる病気によって異なりますが、共通して見られる症状としては以下のものが挙げられます。

  • 皮膚に紫斑が出現: 足、お尻、下肢などに、赤紫色または青紫色の斑点が出現します。
  • 関節痛: 関節が腫れたり、痛んだりすることがあります。
  • 腹痛: 腸管の血管に炎症が起こると、腹痛や血便がみられることがあります。
  • 腎炎: 腎臓に炎症が起こると、血尿や蛋白尿がみられることがあります。

紫斑病の診断

紫斑病の診断は、病歴、身体診察、血液検査、尿検査、画像検査などを総合的に行うことで確定されます。

  • 血液検査: 血小板数、血液凝固因子、自己抗体などを調べます。
  • 尿検査: 血尿や蛋白尿を調べます。
  • 画像検査: 血管の異常や臓器の損傷を調べるために、超音波検査、CT検査、MRI検査などが行われます。

紫斑病の治療

紫斑病の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 血小板減少症: ステロイド剤、免疫グロブリン製剤、脾臓摘出術などが行われます。
  • IgA血管炎: ステロイド剤、免疫抑制剤などが使用されます。
  • 血友病: 凝固因子製剤の補充療法が行われます。
  • 血管炎: 原因となる病気に対する治療が行われます。

紫斑病の予防

紫斑病の予防は、原因となる病気によって異なりますが、以下の点に注意することで、発症リスクを減らすことができます。

  • 感染症予防: 感染症は、IgA血管炎などのトリガーになることがあります。手洗いやうがいを徹底し、感染症予防に努めましょう。
  • 薬剤の副作用: 薬剤が原因で紫斑が出現する場合があります。薬を服用する際には、医師や薬剤師に相談し、副作用についてよく理解しておきましょう。
  • 定期的な健康診断: 早期発見・早期治療のため、定期的な健康診断を受けることが大切です。

まとめ

紫斑病は、原因や症状が様々で、治療法も異なります。紫斑が見つかった場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

注意: この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。