IgA血管炎

IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)について

IgA血管炎は、主に小児にみられる全身性の血管炎です。かつてはヘノッホ・シェーンライン紫斑病と呼ばれていましたが、現在はIgA血管炎という名称が一般的です。

IgA血管炎の原因

IgA血管炎の詳しい原因は未だ解明されていませんが、免疫システムの異常が関与していると考えられています。

  • 感染との関連: 上気道感染(扁桃炎など)をきっかけに発症することが多く、ウイルスや細菌などの感染がトリガーとなる可能性が指摘されています。
  • 遺伝的要因: 一部の患者さんでは、家族内に同様の病気を持つ人がいる場合があり、遺伝的な素因が関与している可能性も考えられます。
  • アレルギーとの関連: アレルギーとの関連も指摘されていますが、明確な因果関係は明らかになっていません。

IgA血管炎の症状

IgA血管炎の主な症状は以下の通りです。

  • 紫斑: 皮膚に赤い斑点やあざ(紫斑)が出ることが特徴です。特に下肢(ふくらはぎなど)に多くみられます。
  • 関節痛: 関節が腫れたり、痛んだりすることがあります。
  • 腹痛: 下腹部痛や、血便を伴うことがあります。
  • 腎炎: 尿に血が混ざったり、タンパク尿が出たりすることがあります。
  • その他: 発熱、倦怠感、食欲不振など

これらの症状は、全ての人に現れるわけではなく、人によって症状の出方や重症度に差があります。

IgA血管炎の診断

IgA血管炎の診断は、医師が患者さんの病歴や症状を詳しく聞き、身体検査を行い、さらに以下の検査を行うことで確定されます。

  • 血液検査: 血液中のIgA抗体の量を測定したり、炎症反応を調べたりします。
  • 尿検査: 尿中に血やタンパク質が出ていないか調べます。
  • 腎生検: 腎臓の一部を採取して、顕微鏡で詳しく調べます。

IgA血管炎の治療

IgA血管炎の治療は、症状の程度や合併症の有無によって異なります。一般的には、以下の治療が行われます。

  • 対症療法: 発熱には解熱剤、痛みには鎮痛剤などを用います。
  • ステロイド療法: 炎症を抑えるために、ステロイド剤が使用されることがあります。
  • 免疫抑制剤: ステロイド剤が効かない場合や、腎炎が重症な場合には、免疫抑制剤が使用されることがあります。
  • 血漿交換療法: 重症な場合に、血液中の異常な抗体を除去する治療が行われることがあります。

IgA血管炎の予防

IgA血管炎の明確な予防法は確立されていませんが、以下のことに注意することで、発症のリスクを減らすことができるかもしれません。

  • 感染症予防: 感染症にかからないように、手洗いやうがいを励行し、バランスの取れた食事を心がけましょう。
  • ストレスの軽減: ストレスは免疫機能を低下させる可能性があるため、ストレスを溜めないように心がけましょう。

IgA血管炎の予後

IgA血管炎の予後は、腎臓の病変の程度によって異なります。多くの場合は、適切な治療により症状が改善し、日常生活を送ることができるようになります。しかし、一部の患者さんでは、慢性的な腎臓病に移行する場合もあります。

注意: この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。

もし、IgA血管炎について何かご心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。