乳腺症

乳腺症とは?

乳腺症とは、30~50代の女性に多くみられる、乳房の良性の病気の総称です。乳房にしこりや痛みを感じることが多く、乳がんと間違われることもありますが、通常は悪性腫瘍ではありません。女性ホルモンのバランスが乱れることで、乳腺組織に変化が起こり、様々な症状が現れます。

乳腺症の原因

乳腺症の主な原因は、女性ホルモンのバランスの乱れです。特に、エストロゲンという女性ホルモンが大きく関わっていると考えられています。

  • 月経周期: 月経周期によって女性ホルモンのバランスが変化するため、月経前には症状が悪化し、月経が終わると改善する傾向があります。
  • ストレス: ストレスはホルモンバランスを乱す要因の一つです。
  • 生活習慣: 不規則な生活、睡眠不足、喫煙、飲酒なども、ホルモンバランスに影響を与える可能性があります。
  • カフェイン: カフェインは乳房の痛みを悪化させる可能性があるという報告もあります。

乳腺症の症状

乳腺症の症状は、人によって様々ですが、一般的な症状としては以下のようなものがあります。

  • しこり: 乳房に硬いしこりができ、触ると痛みを伴うことがあります。
  • 痛み: 乳房全体が重く感じたり、刺すような痛みを感じたりすることがあります。
  • 圧痛: 乳房に触れると痛みを感じます。
  • 乳頭の痛み: 乳頭が痛むこともあります。
  • 分泌物: 乳頭から透明な液体や黄色い液体が分泌されることがあります。

これらの症状は、月経周期によって変化することが特徴です。月経前は症状が悪化し、月経が終わると改善する傾向があります。

乳腺症の診断

乳腺症の診断は、医師による問診、視診、触診に加えて、以下の検査が行われることがあります。

  • 超音波検査: 乳房の内部を画像で確認し、しこりの大きさや性質を調べます。
  • マンモグラフィ: X線を用いて乳房を撮影し、しこりの有無や大きさ、形状を調べます。
  • 針生検: しこりの一部を採取して、細胞を顕微鏡で観察します。

乳腺症の治療

乳腺症の治療は、症状の程度や患者さんの年齢、希望によって異なります。

  • 経過観察: 多くの場合は、定期的に検査を行いながら経過を観察します。
  • 薬物療法: 痛みや腫脹が強い場合は、鎮痛剤やビタミンEなどの薬物療法が行われることがあります。
  • 生活習慣の改善: ストレスを軽減し、規則正しい生活を送るように心がけましょう。
  • 食事療法: カフェインや脂肪分の多い食事を控えるなど、食生活の見直しも大切です。

乳腺症の予防

乳腺症を完全に予防することは難しいですが、以下のことに注意することで、症状を軽減させることができます。

  • バランスの取れた食事: 三食バランスの取れた食事を心がけ、栄養不足を防ぎましょう。
  • 適度な運動: 運動はストレス解消やホルモンバランスの改善に役立ちます。
  • 規則正しい生活: 十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送るように心がけましょう。
  • ストレス解消: ストレスを溜め込まず、リラックスできる時間を作りましょう。
  • 定期的な検診: 定期的に乳がん検診を受けることで、早期発見につながります。

まとめ

乳腺症は、女性ホルモンのバランスの乱れが原因で起こる良性の病気です。多くの場合は、経過観察で問題ありませんが、症状が気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。

【注意】 この情報は一般的な情報であり、個人の症状や状態によって異なります。必ず医師にご相談ください。