乳管拡張症

乳管拡張症とは?

乳管拡張症とは、乳房にある乳管が病的に拡張した状態を指します。乳管は、母乳の通り道となる管で、この管が何らかの原因で広がってしまいます。

乳管拡張症の原因

乳管拡張症の原因は、まだ完全に解明されていません。しかし、以下の要因が考えられています。

  • 乳腺の分泌過剰: ホルモンバランスの変動などにより、乳腺からの分泌物が過剰に分泌され、乳管が拡張することがあります。
  • 乳管周囲の炎症: 乳管周囲に炎症が起こり、乳管が圧迫されることで拡張する場合もあります。
  • 乳管内病変: 乳管内に乳頭腫(良性の腫瘍)やがん細胞などが発生し、乳管が閉塞することで、その上流の乳管が拡張することがあります。

乳管拡張症の症状

多くの場合は、特に自覚症状はありません。しかし、以下のような症状が現れることもあります。

  • 乳頭からの分泌物: 乳頭から透明な液体や黄色の液体が分泌されることがあります。
  • 乳房の痛み: 軽い痛みや圧迫感を感じる場合もあります。
  • 乳房のしこり: 乳管内に腫瘍が発生している場合は、しこりを触れることがあります。

乳管拡張症の診断

乳管拡張症は、以下の検査によって診断されます。

  • 超音波検査: 乳房の内部を画像で確認し、乳管の拡張や腫瘤の有無などを調べます。
  • マンモグラフィ: X線を用いて乳房を撮影し、乳管の拡張や腫瘤の有無などを調べます。
  • MRI: より詳細な画像を得るために、MRI検査を行うこともあります。
  • 乳管内内容物検査: 乳頭から分泌される液体を採取し、細胞診や培養検査を行うことで、乳管内の病変を調べることもあります。

乳管拡張症の治療

乳管拡張症の治療法は、その原因や症状によって異なります。

  • 経過観察: 多くの場合は、定期的な検診で経過を観察します。特に症状がなく、悪性の腫瘍が疑われない場合は、積極的な治療は行わないこともあります。
  • 薬物療法: 炎症がある場合は、抗生物質などの薬物治療が行われることがあります。
  • 手術: 乳管内に腫瘍がある場合や、繰り返す感染が見られる場合は、手術によって病変を摘出することがあります。

乳管拡張症の予防

乳管拡張症の明確な予防法はありませんが、以下のことに注意することで、リスクを減らすことができます。

  • 定期的な乳房検診: 早期発見のため、定期的に乳房検診を受けることが大切です。
  • バランスの取れた食事: 健康的な食生活を心がけ、免疫力を高めましょう。
  • ストレスの軽減: ストレスはホルモンバランスを乱し、乳腺に悪影響を与える可能性があります。
  • ブラジャーの適切な着用: ブラジャーは、締め付けすぎず、かつ、乳房をしっかりと支えるものを選びましょう。

まとめ

乳管拡張症は、多くの場合、特別な治療を必要としない良性の病気です。しかし、まれに乳がんなどの悪性腫瘍が隠れている場合もあります。そのため、乳房に異変を感じたら、早めに医師に相談することが大切です。

ご自身の身体の変化に敏感になり、定期的な検診を心がけましょう。

その他

乳管拡張症について、ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。

免責事項: この情報は、一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。