悪露

悪露(おろ)について

悪露とは?

悪露とは、出産後に子宮から排出される分泌物のことを指します。胎盤がはがれた部分や、子宮内膜が修復される過程で剥がれ落ちた組織、残っていた血液などが混ざり合っており、数週間かけて徐々に変化していきます。

悪露の原因

悪露は、出産に伴う自然な生理現象であり、子宮が元の状態に戻る過程で起こります。主な原因としては、以下のものが挙げられます。

  • 胎盤剥離後の出血: 胎盤が子宮から剥がれる際に、血管が切れて出血します。
  • 子宮内膜の再生: 出産後、子宮内膜が再生される過程で、古い組織が剥がれ落ちます。
  • 子宮内の残留物: 胎盤の残留物や、子宮内に残っていた血液などが排出されます。

悪露の症状

悪露は、量や色、においが時間経過とともに変化していきます。

  • 初期(産後2~3日): 鮮血が多く、量も多めです。肉のようなにおいがする場合もあります。
  • 中期(産後4~7日): 色が暗赤色になり、量も徐々に減ってきます。
  • 後期(産後8日~): 黄色や白色に変わり、量もごく少量になります。

悪露の変化と子宮の回復

悪露の変化は、子宮が順調に回復しているかどうかの目安になります。一般的に、以下のような経過をたどります。

  • 産後1週間: 子宮は急速に縮小し、悪露の量も減っていきます。
  • 産後2週間: 子宮はほぼ妊娠前の大きさに戻り、悪露は黄色や白色になります。
  • 産後4~6週間: 悪露が完全に止まり、おりもののような状態になります。

悪露の異常と注意すべき点

悪露には個人差がありますが、以下の場合は異常の可能性があるため、医師に相談しましょう。

  • 大量の出血: 生理の出血よりも多く、ナプキンを1時間ごとに交換する必要がある場合。
  • 悪臭がする: 生魚の腐ったような強い悪臭がする場合。
  • 高熱が出る: 38℃以上の熱が続く場合。
  • 下腹部痛が続く: 強い痛みや、ズキズキとした痛みが続く場合。
  • 悪露の色が戻らない: 長期間、赤色や褐色の悪露が続く場合。

悪露の治療

通常、悪露は自然に治癒していきますが、異常な出血や痛みがある場合は、子宮の収縮を促す薬や、感染症に対する抗生物質などが処方されることがあります。

悪露の予防

悪露そのものを予防することはできませんが、以下のことに注意することで、トラブルを予防することができます。

  • 清潔を保つ: トイレの後は、前から後ろに向かって拭き、清潔を保ちましょう。
  • **産褥パッドの交換:**こまめに産褥パッドを交換し、清潔を保ちましょう。
  • 休息: 十分な休息を取り、体を休ませましょう。
  • バランスの取れた食事: 鉄分やタンパク質をしっかりと摂り、体力を回復させましょう。
  • 定期的な産婦人科検診: 産後の経過を定期的に診てもらうことが大切です。

まとめ

悪露は、出産後の自然な現象ですが、異常な場合は、感染症や子宮の収縮不全などの原因が考えられます。少しでも気になることがあれば、早めに医師に相談しましょう。