精巣水腫

精巣水腫とは?

精巣水腫とは、陰嚢内に液体が溜まり、陰嚢が腫れる病気です。まるで風船のようにふくらんだ状態になり、見た目にも分かりやすいのが特徴です。

精巣水腫の原因

精巣水腫の原因は、大きく分けて先天性後天性に分けられます。

  • 先天性:
    • 胎児期に精巣が陰嚢に降りてくる際に、一緒に降りてきた腹膜の袋が完全に閉じていない場合に起こります。
    • この袋の中に腹腔内の液体が溜まり、陰嚢が腫れてしまいます。
  • 後天性:
    • 原因がはっきりしない場合が多いですが、精巣や精巣上体の炎症、外傷、腫瘍などが原因となることがあります。
    • 高齢者では、リンパの流れが悪くなることなどが原因となることもあります。

精巣水腫の症状

  • 陰嚢の腫れ: 一番の特徴的な症状です。片側または両側の陰嚢が腫れ上がり、触ると柔らかい感触があります。
  • 痛み: 通常は痛みを伴いませんが、炎症を伴う場合は痛みを感じることもあります。
  • 重だるさ: 腫れが大きい場合は、陰嚢に重だるさを感じることもあります。

精巣水腫の診断

  • 視診・触診: 陰嚢の腫れ方や硬さなどを診察します。
  • 透光検査: 陰嚢に光を当てて、中身が液体か固体かを確認します。液体であれば光が透過します。
  • 超音波検査: 陰嚢内の液体の量や、腫瘍などの有無を調べます。

精巣水腫の治療

  • 経過観察: 生まれたばかりの赤ちゃんの場合、自然に治癒することが多いので、経過観察をすることがあります。
  • 穿刺: 溜まった液体を注射器で抜く方法です。しかし、再発することが多いので、根本的な治療法ではありません。
  • 手術: 根本的な治療法として手術が行われます。手術では、液体が溜まる袋を切除したり、閉鎖したりします。

精巣水腫の予防

先天性の精巣水腫は予防できませんが、後天性の精巣水腫は、原因となる病気の治療によって予防できる場合があります。

精巣水腫に関するQ&A

Q. 精巣水腫は痛みを伴う病気ですか? A. 通常は痛みを伴いませんが、炎症を伴う場合は痛みを感じることもあります。

Q. 精巣水腫は悪性腫瘍ですか? A. ほとんどの場合、悪性の腫瘍ではありません。しかし、まれに腫瘍が原因で精巣水腫が起こることがあります。

Q. 精巣水腫の手術は日帰りでできますか? A. 手術の規模や患者さんの状態によって異なりますが、日帰り手術が可能な場合もあります。

Q. 精巣水腫は不妊の原因になりますか? A. 通常は不妊の原因にはなりませんが、まれに、精巣そのものに問題がある場合や、手術によって精巣に損傷が加わることが原因で不妊になる可能性があります。

まとめ

精巣水腫は、陰嚢が腫れる病気ですが、多くの場合は自然に治癒したり、手術で治すことができます。気になる症状がある場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。

【注意点】 この情報は一般的な情報であり、個人の症状や状態によって治療法は異なります。必ず医師に相談し、適切な治療を受けてください。