無気肺の原因と症状

無気肺とは

「無気肺(むきはい)」とは、肺の一部または全部が空気の通り道(気管や気管支)が塞がれることで、肺が空気を含まない状態になる疾患です。具体的には、肺塞栓症や肺炎などが原因となり、肺内の気体交換が十分に行われず、酸素不足や二酸化炭素の蓄積が起こります。症状としては呼吸困難や胸痛、咳や発熱などが現れ、治療は原因に応じた対処が必要です。重症の場合は人工呼吸器などの支援が必要になることもあります。

無気肺の症状

無気肺の症状は、以下のようなものがあります。
  • 呼吸困難:肺が空気を含まなくなるため、酸素を吸い込むことができず、呼吸困難が生じます。重症の場合は、静止状態でも息切れがすることがあります。
  • 胸痛:無気肺によって肺が圧迫され、胸に痛みを感じることがあります。また、胸の圧迫感や重苦しさも感じることがあります。
  • 咳:無気肺によって起こる炎症が原因で、咳が出ることがあります。痰が出る場合もあります。
  • 発熱:原因によって異なりますが、無気肺が起こる肺炎や肺塞栓症の場合は、発熱を伴うことがあります。

これらの症状がある場合は、早めに医療機関を受診する必要があります。特に、呼吸困難が重度であったり、意識障害や循環不全などの症状がある場合は、救急医療を受ける必要があります。

無気肺の原因

無気肺の原因には、以下のようなものがあります。
  • 肺塞栓症:肺の血管に詰まった血栓が肺塞栓症を引き起こすことがあります。血栓が詰まった部分の肺が空気を含まなくなり、無気肺が発生します。
  • 肺炎:細菌やウイルス、真菌などの病原体が肺に感染し、炎症を引き起こすことがあります。炎症によって肺の一部または全部が充血し、空気を含まなくなり、無気肺が発生します。
  • 呼吸器の閉塞:肺気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、呼吸器の閉塞によって肺の空気の通り道が塞がれ、無気肺が発生することがあります。
  • 呼吸器の外傷:胸部の外傷や手術などが原因で、呼吸器の破壊や閉塞が生じ、無気肺が発生することがあります。

以上のような原因によって、肺の一部または全部が空気を含まなくなり、無気肺が発生することがあります。

無気肺の治療法

無気肺の治療法は、原因に応じて異なります。一般的な治療法には、以下のようなものがあります。
  • 肺塞栓症の場合:抗凝固療法や血栓溶解療法などの薬物治療、人工的な肺塞栓除去手術などが行われることがあります。
  • 肺炎の場合:原因となる細菌やウイルス、真菌に対する抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬などの薬物治療が行われます。また、酸素療法が必要な場合があります。
  • 呼吸器の閉塞の場合:吸入薬、気管支拡張剤、ステロイド剤などの薬物治療や、人工呼吸器の使用が行われることがあります。
  • 呼吸器の外傷の場合:手術による修復や、胸部チューブの挿入によって肺内の空気を除去する処置が行われることがあります。

重症の場合には、人工呼吸器や酸素吸入などの支援が必要になる場合もあります。治療法は原因に応じて異なりますので、症状が出た場合には早めに医療機関を受診することが重要です。

無気肺の予防法

無気肺の予防法は、以下のようなものがあります。
  • 喫煙を避ける:喫煙は肺機能を低下させるため、無気肺の原因となることがあります。禁煙することで、無気肺を予防することができます。
  • 適切な呼吸法を習得する:正しい呼吸法を習得することで、肺の機能を改善することができます。
  • 運動をする:運動によって呼吸器の筋肉を鍛えることで、肺機能を向上させることができます。
  • 健康的な生活を送る:バランスの良い食事や十分な睡眠、ストレスの軽減など、健康的な生活習慣を維持することが肺の健康につながります。

また、肺炎などの感染症を予防するために、手洗いやマスクの着用などの感染予防策を実践することも重要です。