定期健康診断とは

定期健康診断とは、労働安全衛生法に基づいて、企業が従業員に対して定期的に実施することが義務付けられている健康診断です。

目的

  • 従業員の健康状態を定期的に把握し、疾病の早期発見・早期治療につなげること。
  • 労働環境による健康への影響を評価し、適切な対策を講じること。
  • 従業員の健康維持・増進を図り、労働生産性の向上につなげること。

対象者

  • 企業に常時使用される従業員(正社員、パート、アルバイトなど、一定の労働時間以上働く者)。

実施頻度

  • 年に1回以上。

定期健康診断の検査項目は、労働安全衛生規則によって定められています。以下に、主な検査項目を表にまとめました。

定期健康診断の検査項目

項目 詳細 目的
既往歴および業務歴の調査 過去の病歴や現在の業務内容 健康状態の把握、業務による健康への影響評価
自覚症状および他覚症状の有無の検査 医師による問診、診察 現在の健康状態の把握
身体計測 身長、体重、腹囲、BMI 肥満や生活習慣病のリスク評価
視力検査 視力測定 視力低下の有無
聴力検査 聴力測定 聴力低下の有無
胸部X線検査 胸部X線撮影 肺疾患(肺がん、結核など)の早期発見
喀痰検査 喀痰(かくたん)の検査(医師が必要と判断した場合) 肺疾患の診断
血圧測定 血圧値の測定 高血圧、低血圧の評価
貧血検査 赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値 貧血の評価
肝機能検査 AST、ALT、γ-GTP 肝機能障害の評価
脂質検査 中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール 脂質異常症の評価
血糖検査 空腹時血糖またはHbA1c 糖尿病の評価
尿検査 尿糖、尿蛋白 糖尿病、腎臓病の評価
心電図検査 心臓の電気的な活動を記録(医師が必要と判断した場合) 心疾患の評価

ポイント

  • 定期健康診断は、労働安全衛生法に基づいて、企業が従業員に対して定期的に実施することが義務付けられている健康診断です。
  • 従業員の健康状態を定期的に把握し、疾病の早期発見・早期治療につなげることを目的としています。
  • 検査項目は、労働安全衛生規則によって定められています。
  • 企業は、健康診断の結果を記録し、一定期間保存する義務があります。

ご自身の健康状態を把握し、健康的な生活を送るために、定期健康診断を必ず受診しましょう。

企業の義務

  • 従業員に定期健康診断を受けさせること。
  • 健康診断の結果を記録し、一定期間保存すること。
  • 健康診断の結果に基づき、必要に応じて適切な措置を講じること(就業制限、作業転換、健康指導など)。

従業員の義務

  • 企業が実施する定期健康診断を受けること。

重要性

  • 定期健康診断は、従業員の健康を守るために非常に重要です。
  • 定期的に健康状態をチェックすることで、病気の早期発見・早期治療につながります。
  • 企業にとっても、従業員の健康管理は労働生産性の向上やリスク管理の観点から重要です。

より詳細な情報が必要な場合は、厚生労働省のウェブサイトや、お近くの労働基準監督署にお問い合わせください。