アミラーゼは、主に膵臓と唾液腺から分泌される消化酵素であり、デンプンを分解する役割を担っています。アミラーゼ検査は、これらの臓器の異常を調べるために行われます。
アミラーゼ検査でわかること
アミラーゼ検査では、血液中または尿中のアミラーゼの量を測定することで、以下のことがわかります。
- 膵臓の異常: 急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がんなど
- 唾液腺の異常: 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、唾液腺炎など
- その他の疾患: 腸閉塞、腎機能障害など
アミラーゼの基準値
アミラーゼの基準値は、測定方法や施設によって異なりますが、一般的には以下の範囲内です。
- 血液アミラーゼ:37~125U/L
- 尿アミラーゼ:100~800U/L
これらの基準値はあくまで目安であり、検査結果の解釈は医師が行います。
アミラーゼが高い場合に疑われる病気
アミラーゼの値が基準値よりも高い場合、以下の病気が疑われます。
- 急性膵炎: 膵臓の炎症で、激しい腹痛や吐き気を伴います。
- 慢性膵炎: 膵臓の慢性的な炎症で、腹痛や消化不良が起こります。
- 膵臓がん: 膵臓にできるがんで、進行すると黄疸や体重減少が見られます。
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ): 唾液腺のウイルス感染症で、耳の下が腫れて痛みます。
- 唾液腺炎: 唾液腺の細菌感染症で、唾液腺が腫れて痛みます。
- 腸閉塞: 腸の内容物が詰まってしまう状態で、腹痛や嘔吐が起こります。
- 腎機能障害: 腎臓の機能が低下した状態で、尿量の変化やむくみが見られます。
アミラーゼが高い場合の治療法
アミラーゼが高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- 急性膵炎: 入院して絶食や点滴を行い、膵臓の安静を図ります。重症の場合は、手術が必要になることもあります。
- 慢性膵炎: 症状を緩和するために、鎮痛薬や消化酵素薬が用いられます。食事療法も重要です。
- 膵臓がん: 手術、放射線療法、化学療法などが行われます。
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ): 特別な治療法はなく、安静にして自然治癒を待ちます。
- 唾液腺炎: 抗菌薬が用いられます。
- 腸閉塞: 原因によっては手術が必要になります。
- 腎機能障害: 原因となる病気の治療や、透析が行われます。
アミラーゼの値が高い場合は、自己判断せずに必ず医師の診断を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。