アルカリフォスファターゼ(ALP)とは
アルカリフォスファターゼ(ALP)は、リン酸化合物を分解する酵素の一種で、肝臓、胆道、骨、小腸、腎臓などに広く存在します。ALPは、これらの臓器や組織に異常が生じると血液中に漏れ出し、血中ALP値が上昇します。そのため、ALPは肝胆道系疾患や骨疾患などの診断に役立つ検査項目として用いられます。
検査でわかること
ALPの検査では、主に以下のことがわかります。
- 肝胆道系の異常: 胆道閉塞、胆汁うっ滞、肝炎、肝硬変、肝がんなど
- 骨の異常: 骨折、骨 Paget 病、骨肉腫、くる病など
- その他: 妊娠、甲状腺機能亢進症、腎不全など
基準値
ALPの基準値は、検査方法や年齢によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。
- 成人:38~113 U/L
ただし、小児や妊婦は基準値が異なるため、医師の判断に従ってください。
基準値より高い場合に疑われる病気
ALP値が基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。
- 肝胆道系疾患
- 胆道閉塞:胆石、胆道がん、膵臓がんなど
- 胆汁うっ滞:原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎など
- 肝炎:ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎など
- 肝硬変
- 肝がん
- 骨疾患
- 骨折
- 骨 Paget 病
- 骨肉腫
- くる病
- その他
- 妊娠
- 甲状腺機能亢進症
- 腎不全
治療法
ALP値が高い場合の治療法は、原因となる疾患によって異なります。
- 肝胆道系疾患の場合: 原因疾患に対する薬物療法、手術、内視鏡治療など
- 骨疾患の場合: 原因疾患に対する薬物療法、手術、リハビリテーションなど
- その他の場合: 原因疾患に対する治療、原因となる薬剤の中止など
ALP値が高い場合は、必ず医師の診察を受け、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。