血液ガス検査とは
血液ガス検査とは、血液中の酸素(PaO2)、二酸化炭素(PaCO2)、pH(水素イオン濃度)、重炭酸イオン(HCO3-)などを測定する検査です。この検査により、呼吸機能や酸塩基平衡の状態を把握することができます。
検査でわかること
血液ガス検査では、主に以下のことがわかります。
- 呼吸機能の状態: 血液中の酸素と二酸化炭素の量を測定することで、肺が正常に機能しているかを評価できます。
- 酸塩基平衡の状態: pHや重炭酸イオンの値を測定することで、血液が酸性またはアルカリ性のどちらに傾いているかを評価できます。
- 代謝の状態: 重炭酸イオンやその他の電解質の値を測定することで、代謝異常の有無を評価できます。
基準値
血液ガス検査の基準値は以下の通りです。
- PaO2(動脈血酸素分圧):80~100Torr
- PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧):35~45Torr
- pH:7.35~7.45
- HCO3-(重炭酸イオン):22~26mEq/L
これらの基準値はあくまで目安であり、年齢や基礎疾患などによって変動することがあります。
基準値より高い場合に疑われる病気
血液ガス検査の結果が基準値より高い場合、以下のような病気が疑われます。
- PaO2が高い場合:
- 通常、PaO2が高すぎる状態はまれですが、過剰な酸素投与を受けている場合などにみられます。
- PaCO2が高い場合:
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 喘息
- 肺炎
- 呼吸不全
- pHが高い場合:
- 過換気症候群
- 代謝性アルカローシス
- HCO3-が高い場合:
- 代謝性アルカローシス
- クッシング症候群
治療法
血液ガス検査の結果に基づいた治療法は、原因となる疾患によって異なります。
- 呼吸器疾患の場合: 酸素投与、人工呼吸、薬物療法(気管支拡張薬、ステロイドなど)などが行われます。
- 代謝性疾患の場合: 電解質バランスの是正、原因疾患の治療などが行われます。
重要な注意点として、血液ガス検査の結果は、他の検査や症状と合わせて総合的に判断する必要があります。自己判断せずに、必ず医師の診断を受けるようにしてください。