血色素量(ヘモグロビン)について解説します。
検査でわかること
血色素量(ヘモグロビン)は、赤血球に含まれる赤い色素タンパク質の量を示す検査項目です。ヘモグロビンは、肺で酸素と結合し、全身の組織に酸素を運搬する重要な役割を担っています。
この検査では、以下のことがわかります。
- 貧血の診断:ヘモグロビン量が基準値より低い場合、貧血と診断されます。
- 多血症の診断:ヘモグロビン量が基準値より高い場合、多血症と診断されることがあります。
- 脱水症状の把握:脱水状態では、血液が濃縮されるため、ヘモグロビン量が高くなることがあります。
- その他:腎臓病、肺疾患、骨髄疾患などの病気の診断や経過観察にも用いられます。
基準値
ヘモグロビンの基準値は、一般的に以下の通りです。
- 男性:14~18g/dL
- 女性:12~16g/dL
ただし、基準値は検査機関や年齢、性別によって若干異なる場合があります。
基準値より高い場合に疑われる病気
ヘモグロビン量が基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。
- 多血症:赤血球が異常に増加する病気です。真性多血症、二次性多血症などがあります。
- 脱水症:体内の水分が不足した状態です。
- 肺疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患では、酸素不足を補うために赤血球が増加することがあります。
- 腎臓病:腎臓でエリスロポエチンという赤血球を増やすホルモンが過剰に産生されることがあります。
- 喫煙:喫煙によって血液中の酸素が減少し、赤血球が増加することがあります。
- 高地への居住:高地では、酸素濃度が低いため、赤血球が増加します。
治療法
ヘモグロビンが高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- 多血症:瀉血(しゃけつ)療法、薬物療法などが行われます。
- 脱水症:水分補給が行われます。
- 肺疾患:原因となる肺疾患の治療が行われます。
- 腎臓病:原因となる腎臓病の治療が行われます。
自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診断を受けることが重要です。