サーモグラフィ検査でわかること
サーモグラフィ検査は、人体から放射される赤外線を検出し、温度分布を画像化する検査です。これにより、体表面の温度変化を可視化し、以下のような情報を得ることができます。
- 炎症の検出: 炎症部位は周囲よりも温度が高くなるため、炎症の有無や程度を把握できます。
- 血流の評価: 血流が低下している部位は温度が低くなるため、血行障害の有無や程度を評価できます。
- 神経機能の評価: 神経障害により発汗機能が低下すると、温度分布に変化が現れるため、神経機能の評価に役立ちます。
- 腫瘍の検出: 腫瘍は周囲よりも温度が高くなることがあり、腫瘍の有無や位置を特定するのに役立ちます。
サーモグラフィ検査の基準値
サーモグラフィ検査の基準値は、検査部位や測定条件によって異なります。一般的には、左右対称の部位で温度差が1℃以内であれば正常範囲とされます。しかし、温度差だけでなく、温度分布のパターンや変化なども考慮して総合的に判断する必要があります。
基準値より高い場合に疑われる病気
サーモグラフィ検査で基準値よりも高い温度が検出された場合、以下のような病気が疑われます。
- 炎症性疾患: 関節リウマチ、腱鞘炎、筋肉の炎症など
- 感染症: 皮膚感染症、蜂窩織炎など
- 腫瘍: 乳がん、皮膚がんなど
- 血行障害: 深部静脈血栓症、閉塞性動脈硬化症など
- 神経障害: 複合性局所疼痛症候群(CRPS)など
治療法
サーモグラフィ検査で異常な温度分布が検出された場合、原因となる疾患に対する治療が必要です。治療法は、疾患の種類や程度によって異なりますが、以下のようなものが挙げられます。
- 薬物療法: 抗炎症薬、抗菌薬、抗がん剤など
- 理学療法: 温熱療法、冷却療法、運動療法など
- 手術療法: 腫瘍の切除、血行再建術など
- 神経ブロック: 神経の興奮を抑えるための注射など
サーモグラフィ検査は、非侵襲的で安全な検査ですが、万能ではありません。確定診断には、他の検査や画像診断と組み合わせる必要があります。