視野検査

視野検査は、目の病気や脳の病気を早期発見するために重要な検査です。ここでは、視野検査でわかること、基準値、基準値より高い場合に疑われる病気、治療法について解説します。

視野検査でわかること

視野検査は、一点を見つめた状態で、見える範囲(視野)と網膜の感度を測定する検査です。これにより、以下のことがわかります。

  • 視野の範囲: 正常に見える範囲と、見えない範囲(視野欠損)を調べます。
  • 網膜の感度: 網膜の光を感じる能力を測定します。
  • 視神経の状態: 視神経の異常を検出します。
  • 脳の視覚に関わる領域の状態: 脳の視覚に関わる領域の異常を検出します。

視野検査は、緑内障、視神経疾患、脳腫瘍など、さまざまな病気の診断に役立ちます。

視野の基準値

視野の基準値は、年齢や検査方法によって異なりますが、一般的には以下のようになります。

  • 視野の広さ: 片目ずつ測定し、上方約60度、下方約75度、鼻側約60度、耳側約100度です。
  • 網膜の感度: 中心窩(網膜の中心部)が最も高く、周辺に行くほど低くなります。

検査結果は、基準値と比較して、視野の異常の有無や程度を判断します。

基準値より異常値を示す場合に疑われる病気

視野検査で基準値より異常値を示す場合、以下のような病気が疑われます。

  • 緑内障: 視神経が障害され、視野が狭くなる病気です。
  • 視神経疾患: 視神経炎、視神経萎縮など、視神経に異常が起こる病気です。
  • 脳腫瘍: 脳腫瘍が視神経や視覚に関わる領域を圧迫し、視野異常を引き起こすことがあります。
  • 脳卒中: 脳卒中によって視覚に関わる領域が障害されると、視野異常が現れることがあります。
  • 網膜色素変性症: 網膜の視細胞が変性し、視野が徐々に狭くなる病気です。
  • 網膜剥離: 網膜が剥がれる病気で、視野欠損を引き起こすことがあります。

これらの病気は、早期発見・早期治療が重要です。視野検査で異常が見つかった場合は、眼科医や脳神経外科医の診察を受け、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

治療法

視野検査で異常が見つかった場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 緑内障: 点眼薬、レーザー治療、手術などが行われます。
  • 視神経疾患: ステロイド薬、ビタミン剤などが用いられます。
  • 脳腫瘍: 手術、放射線治療、化学療法などが行われます。
  • 脳卒中: 血栓溶解療法、抗血小板療法、リハビリテーションなどが行われます。
  • 網膜色素変性症: 現在、根本的な治療法はありませんが、進行を遅らせるための治療が行われることがあります。
  • 網膜剥離: 手術によって網膜を元の位置に戻します。

視野検査は、自覚症状がない初期の病気を発見できる重要な検査です。定期的に検査を受けることで、早期発見・早期治療につなげましょう。