心電図検査は、心臓の電気的な活動を記録し、心臓の状態を把握するための重要な検査です。ここでは、心電図検査でわかること、基準値、基準値より高い場合に疑われる病気、そして治療法について解説します。
心電図検査でわかること
心電図検査では、以下のことがわかります。
- 不整脈: 心臓のリズムの乱れを検出し、期外収縮、心房細動、心室細動などの不整脈の種類を特定します。
- 虚血性心疾患: 心筋梗塞や狭心症など、心臓の筋肉への血流が不足している状態を検出します。
- 心筋の肥大: 心臓の筋肉が厚くなっている状態を検出し、高血圧性心疾患や心筋症などの診断に役立てます。
- 電解質異常: カリウムやカルシウムなどの電解質バランスの乱れを検出し、心臓への影響を評価します。
- 薬物やペースメーカーの影響: 特定の薬物やペースメーカーが心臓の電気活動に与える影響を評価します。
心電図の基準値
心電図の基準値は、年齢や性別によって多少異なりますが、一般的な基準値は以下の通りです。
- 心拍数: 60~100回/分
- PR間隔: 0.12~0.20秒
- QRS幅: 0.06~0.10秒
- QT間隔: 0.35~0.44秒
これらの基準値から逸脱する場合、何らかの心臓疾患が疑われます。
基準値より高い場合に疑われる病気
心電図の基準値より高い場合、以下のような病気が疑われます。
- 心房細動: 心房が不規則に興奮し、脈が速く不規則になる不整脈です。
- 心室頻拍: 心室が異常に速く拍動する不整脈で、重症化すると心室細動に移行し、突然死の原因となることがあります。
- 心筋梗塞: 心臓の血管が詰まり、心筋が壊死する病気です。
- 心筋症: 心筋の病気で、心筋が厚くなったり、薄くなったり、硬くなったりします。
- 高カリウム血症: 血液中のカリウム濃度が異常に高くなり、心臓の電気活動に影響を与える状態です。
治療法
心電図検査で異常が見つかった場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- 不整脈: 抗不整脈薬、カテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込みなどが行われます。
- 虚血性心疾患: 薬物療法、カテーテル治療、冠動脈バイパス手術などが行われます。
- 心筋症: 薬物療法、ペースメーカー植え込み、心臓移植などが行われます。
- 電解質異常: 電解質バランスを改善するための薬物療法や食事療法が行われます。
心電図検査で異常が見つかった場合は、医師の指示に従い、適切な治療を受けることが重要です。