遅延型過敏反応(ツベルクリン型反応)

検査でわかること

遅延型過敏反応は、アレルギー反応の種類のひとつで、原因となる物質(抗原)にさらされてから症状が現れるまでに時間がかかるのが特徴です。ツベルクリン反応は、結核菌に対する遅延型過敏反応を利用した検査で、過去に結核菌に感染したことがあるかどうかを調べることができます。

具体的には、ツベルクリンという結核菌由来のタンパク質を皮膚に注射し、48時間後に注射部位の皮膚の反応を観察します。皮膚が赤く腫れ、硬くなっていれば陽性、反応がなければ陰性と判定されます。

基準値

ツベルクリン反応の基準値は、一般的に以下のように定められています。

  • 陰性:発赤や硬結が10mm未満
  • 弱陽性:発赤や硬結が10~19mm
  • 陽性:発赤や硬結が20mm以上

ただし、過去にBCGワクチンを接種している場合や、免疫力が低下している場合は、反応が弱くなることがあります。

基準値より高い場合に疑われる病気

ツベルクリン反応が陽性の場合、以下の病気が疑われます。

  • 結核
  • 非結核性抗酸菌症
  • サルコイドーシス

ただし、ツベルクリン反応が陽性だからといって、必ずしもこれらの病気にかかっているとは限りません。陽性反応が出た場合は、胸部X線検査や血液検査などの追加検査を行い、総合的に判断する必要があります。

治療法

遅延型過敏反応の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 結核:抗結核薬による治療を行います。
  • 非結核性抗酸菌症:抗生物質による治療を行います。
  • サルコイドーシス:ステロイド薬や免疫抑制薬による治療を行います。

また、アレルギー反応による皮膚の炎症やかゆみに対しては、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬が用いられることがあります。

重要な注意点として、ツベルクリン反応はあくまでも過去の感染歴を調べるための検査であり、現在の活動性結核を診断するものではありません。活動性結核の診断には、喀痰検査や胸部X線検査などが必要です。