ドップラー法(ドプラ法)とは
ドップラー法とは、超音波を用いて血流速度を測定する検査方法です。ドップラー効果という物理現象を応用しており、救急車のサイレンが近づくときと遠ざかるときで音の高さが変わるのと同じ原理で、血流速度を測定します。
検査でわかること
ドップラー法では、以下のことがわかります。
- 血流速度: 血管内の血流速度を測定し、血流の異常を検出します。
- 血管の狭窄・閉塞: 血管が狭くなったり詰まったりしている箇所を特定します。
- 血流の方向: 血流が正常な方向に流れているか、逆流がないかなどを確認します。
- 血管の性状: 血管壁の厚さや柔軟性などを評価します。
これらの情報から、動脈硬化、静脈血栓、弁膜症などの診断に役立ちます。
基準値
ドップラー法で測定する血流速度の基準値は、検査する血管の種類や部位によって異なります。例えば、頸動脈では、正常な血流速度は通常、特定の範囲内に収まります。しかし、これらの数値はあくまで目安であり、医師は患者の年齢、性別、既往歴などを考慮して総合的に判断します。
基準値より高い場合に疑われる病気
ドップラー法で血流速度が基準値より高い場合に疑われる病気としては、以下のようなものが挙げられます。
- 動脈硬化: 血管壁が厚くなり、血管が狭くなることで血流速度が上昇します。
- 高血圧: 高血圧によって血管に負荷がかかり、血流速度が変化することがあります。
- 血管狭窄: 血管が狭窄している部位では、血流速度が上昇します。
- 甲状腺機能亢進症: 代謝が亢進し、心拍数が増加することで血流速度が上昇することがあります。
治療法
ドップラー法の結果、病気が疑われる場合は、原因となる疾患に対する治療が行われます。
- 動脈硬化: 生活習慣の改善(食事療法、運動療法)、薬物療法(抗血小板薬、抗凝固薬など)、カテーテル治療、外科手術などが行われます。
- 高血圧: 生活習慣の改善、薬物療法(降圧薬)などが行われます。
- 血管狭窄: カテーテル治療(血管拡張術、ステント留置)、外科手術(バイパス手術)などが行われます。
- 甲状腺機能亢進症: 薬物療法(抗甲状腺薬)、放射性ヨード治療、手術などが行われます。
治療法は、患者の状態や疾患の種類によって異なるため、医師と相談して適切な治療法を選択することが重要です。
ドップラー法は、非侵襲的で安全性の高い検査であり、様々な疾患の診断や治療に役立ちます。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談しましょう。