尿素窒素(BUN)は、腎臓の機能を評価するために重要な検査項目の一つです。ここでは、尿素窒素(BUN)について、検査でわかること、基準値、基準値より高い場合に疑われる病気、治療法について解説します。
検査でわかること
尿素窒素(BUN)検査は、血液中の尿素窒素の濃度を測定する検査です。尿素窒素は、タンパク質が分解される際に生成される老廃物であり、通常は腎臓でろ過されて尿として排出されます。
したがって、尿素窒素(BUN)検査では、以下のことがわかります。
- 腎臓のろ過機能
- 腎臓病の早期発見
- 脱水症状の有無
- 消化管出血の有無
- タンパク質の摂取量
基準値
尿素窒素(BUN)の基準値は、一般的に8~20mg/dLです。ただし、基準値は医療機関や検査方法によって異なる場合があります。
基準値より高い場合に疑われる病気
尿素窒素(BUN)が基準値より高い場合は、以下の病気が疑われます。
- 腎臓病(腎不全、糸球体腎炎、腎盂腎炎など)
- 脱水症状
- 消化管出血
- 心不全
- 尿路閉塞
- 甲状腺機能亢進症
- 糖尿病性腎症
- 薬剤性腎障害
これらの病気は、腎臓のろ過機能が低下したり、尿素窒素の産生量が増加したりすることで、尿素窒素(BUN)値を上昇させます。
治療法
尿素窒素(BUN)が高い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- 腎臓病:食事療法、薬物療法、透析療法など
- 脱水症状:水分補給、輸液療法など
- 消化管出血:止血処置、輸血など
- 心不全:薬物療法、酸素療法など
- 尿路閉塞:尿路カテーテル留置、手術など
- 甲状腺機能亢進症:薬物療法、放射線療法、手術など
- 糖尿病性腎症:血糖コントロール、薬物療法など
- 薬剤性腎障害:原因薬剤の中止、減量など
尿素窒素(BUN)値が高い場合は、必ず医師の診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。
その他
- 尿素窒素(BUN)検査は、他の検査(クレアチニン検査など)と組み合わせて行うことで、より正確な腎機能評価が可能です。
- 尿素窒素(BUN)値は、食事や運動などの影響を受けることがあります。検査前は医師の指示に従いましょう。