尿量

尿量検査でわかること

尿量検査は、腎臓の機能や体内の水分バランスを評価するために行われます。具体的には、以下の点がわかります。

  • 腎臓の機能: 尿は血液が腎臓でろ過されて作られるため、尿量を測定することで腎臓が正常に機能しているかを判断できます。
  • 水分バランス: 尿量は体内の水分量と密接に関係しており、尿量の変化から脱水や水分過剰などの状態を把握できます。
  • ホルモンバランス: 抗利尿ホルモンなどのホルモンは尿量に影響を与えるため、尿量検査はホルモンバランスの評価にも役立ちます。

尿量の基準値

1日の尿量の基準値は、一般的に成人で1000ml~2000mlとされています。ただし、尿量は年齢、性別、体格、食事、水分摂取量、発汗量などによって個人差があります。そのため、基準値から多少外れていても、必ずしも異常とは限りません。

尿量が多い場合に疑われる病気

尿量が多い状態(多尿)は、以下のような病気が疑われます。

  • 糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、余分な糖を尿として排泄するために尿量が増加します。
  • 尿崩症: 抗利尿ホルモンの分泌量が減少したり、腎臓が抗利尿ホルモンに反応しなくなったりすることで、尿を濃縮できずに尿量が増加します。
  • 腎臓病: 腎臓の機能が低下すると、尿を濃縮できずに尿量が増加することがあります。
  • 利尿作用のある薬の服用: 利尿薬や一部の降圧薬などは、尿量を増加させる作用があります。
  • その他: 精神的な要因や、水分摂取量の増加によって尿量が増えることもあります。

尿量が多い場合の治療法

尿量が多い場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 糖尿病: 食事療法、運動療法、薬物療法などによって血糖値をコントロールします。
  • 尿崩症: 抗利尿ホルモン薬の投与などを行います。
  • 腎臓病: 原因となる病気の治療や、腎臓の負担を軽減するための食事療法、薬物療法などを行います。
  • 薬の服用: 服用している薬の種類や量を調整します。
  • その他: 水分摂取量を調整したり、精神的な要因を取り除いたりします。

尿量の異常に気づいたら、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査と診断を受けるようにしましょう。