脳波検査(脳電図)

脳波検査(脳電図)とは

脳波検査(脳電図)とは、脳の神経細胞から発生する微弱な電気信号を、頭皮に装着した電極で記録し、波形として表示する検査です。この検査により、脳の活動状態を調べることができ、様々な脳の病気の診断や状態把握に役立ちます。

検査でわかること

脳波検査では、主に以下のことがわかります。

  • 脳の電気活動の異常: てんかんなどの発作性疾患、脳炎、脳腫瘍などの脳の病気による電気活動の異常を検出できます。
  • 意識障害の原因: 意識不明や意識レベルの低下の原因を特定するのに役立ちます。
  • 睡眠状態の評価: 睡眠中の脳波を記録することで、睡眠障害の診断や睡眠の質の評価ができます。
  • 脳死判定: 脳死状態の判定に用いられます。

基準値

脳波は、周波数によって以下の4つの基本的な波に分類されます。

  • α波(8~13Hz):リラックスした状態で目を閉じている時に出現
  • β波(14~30Hz):覚醒時や緊張時に出現
  • θ波(4~7Hz):睡眠時や深いリラックス状態に出現
  • δ波(0.5~3Hz):深い睡眠時に出現

これらの波の出現パターンや周波数の異常は、脳の病気の可能性を示唆します。

基準値より高い場合に疑われる病気

脳波の異常な高値は、以下のような病気が疑われます。

  • てんかん: てんかん発作時に特有の棘徐波複合などの異常波が出現します。
  • 脳炎・髄膜炎: 脳の炎症により、徐波化や異常波が出現します。
  • 脳腫瘍: 腫瘍の部位や大きさにより、局所的な異常波や徐波化が見られます。
  • 脳血管障害: 脳梗塞や脳出血などにより、脳の血流が低下し、徐波化や異常波が出現します。
  • 意識障害: 脳症や薬物中毒などにより、脳全体の活動が抑制され、徐波化が見られます。

治療法

脳波検査で異常が認められた場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • てんかん: 抗てんかん薬による薬物療法が中心となります。
  • 脳炎・髄膜炎: 原因となる病原体に対する薬物療法や、炎症を抑えるためのステロイド療法などが行われます。
  • 脳腫瘍: 手術、放射線療法、化学療法などが行われます。
  • 脳血管障害: 血栓を溶かす薬や、血圧を下げる薬などが使用されます。
  • 意識障害: 原因となる病気の治療や、呼吸管理、栄養管理などの全身管理が行われます。

脳波検査は、脳の活動状態を客観的に評価できる重要な検査です。異常が認められた場合は、専門医の診断を受け、適切な治療を受けることが大切です。