培養検査

培養検査は、体内の感染症の原因となる細菌や真菌(カビ)、ウイルスなどを特定するために行われる検査です。採取した検体(血液、尿、便、喀痰、膿など)を培養し、微生物の有無や種類、薬剤感受性を調べます。

培養検査でわかること

  • 感染症の原因菌の特定: 培養検査によって、どのような細菌や真菌、ウイルスが感染症を引き起こしているのかを特定できます。
  • 薬剤感受性: 原因菌がどのような抗菌薬に感受性(効果があるか)または耐性(効果がないか)を持っているかを調べることができます。これにより、適切な抗菌薬を選択し、効果的な治療を行うことができます。
  • 感染症の重症度: 培養された菌の量や種類によって、感染症の重症度を推定することができます。

基準値

培養検査では、基本的に検体から病原微生物が検出されないことが基準値とされます。ただし、常在菌と呼ばれる、通常は病原性を示さない微生物が検出されることもあります。常在菌が検出された場合は、感染症との関連性を慎重に判断する必要があります。

基準値より高い場合に疑われる病気

培養検査で病原微生物が検出された場合、以下のような感染症が疑われます。

  • 細菌感染症: 肺炎、尿路感染症、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症など
  • 真菌感染症: カンジダ症、アスペルギルス症、クリプトコックス症など
  • ウイルス感染症: インフルエンザ、ノロウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症など

治療法

培養検査の結果に基づいて、以下のような治療が行われます。

  • 抗菌薬療法: 細菌感染症の場合、原因菌に感受性のある抗菌薬を投与します。
  • 抗真菌薬療法: 真菌感染症の場合、原因真菌に感受性のある抗真菌薬を投与します。
  • 抗ウイルス薬療法: ウイルス感染症の場合、原因ウイルスに効果のある抗ウイルス薬を投与します。
  • 対症療法: 発熱や痛みなどの症状を緩和するための治療を行います。
  • 外科的治療: 膿瘍の切開やドレナージなど、外科的な処置が必要となる場合があります。

培養検査は、感染症の診断と治療において非常に重要な検査です。感染症が疑われる症状がある場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。