平均赤血球容積

平均赤血球容積(MCV)とは?

平均赤血球容積(MCV)は、血液検査で測定される赤血球の平均的な大きさを表す指標です。MCVを測定することで、貧血の種類や原因を特定するのに役立ちます。

検査でわかること

MCVの検査では、以下のことがわかります。

  • 貧血の種類の特定:
    • MCVが高い場合は、大球性貧血
    • MCVが低い場合は、小球性貧血
    • MCVが正常な場合は、正球性貧血
  • 貧血の原因の特定:
    • MCVの値と他の血液検査の結果を組み合わせることで、貧血の原因となっている病気を特定できます。
  • 病気の早期発見:
    • MCVの異常値は、貧血だけでなく、他の病気の兆候である可能性もあります。

基準値

MCVの基準値は、一般的に以下のとおりです。

  • 成人男性:84~103fl
  • 成人女性:84~103fl

ただし、基準値は検査機関や測定方法によって若干異なる場合があります。

基準値より高い場合に疑われる病気

MCVが基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。

  • 巨赤芽球性貧血:
    • ビタミンB12や葉酸の欠乏によって起こる貧血です。
    • 赤血球が正常に成熟せず、大きくなってしまいます。
  • 肝疾患:
    • 肝臓の病気によって、赤血球の大きさが変化することがあります。
  • 甲状腺機能低下症:
    • 甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、赤血球の産生に影響が出ることがあります。
  • アルコール多飲:
    • 過剰なアルコール摂取は、骨髄に影響を与え、赤血球の産生を阻害する可能性があります。

治療法

MCVが高い場合の治療法は、原因となっている病気によって異なります。

  • 巨赤芽球性貧血の場合:
    • ビタミンB12や葉酸の補充療法が行われます。
  • 肝疾患や甲状腺機能低下症の場合:
    • それぞれの病気の治療が行われます。
  • アルコール多飲の場合:
    • 禁酒や節酒などのアルコール摂取量のコントロールが必要になります。

MCVの値に異常が見られた場合は、医師の診断を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。