免疫グロブリン濃度

検査でわかること

免疫グロブリンは、体内の免疫システムにおいて重要な役割を担うタンパク質です。免疫グロブリン濃度検査は、血液中の免疫グロブリンの量を測定することで、以下の情報を得ることができます。

  • 免疫機能の状態: 免疫グロブリンの量が適切かどうかを評価し、免疫機能の異常を検出します。
  • 感染症の診断: 特定の感染症に対する抗体の有無や量を測定し、診断の補助とします。
  • 自己免疫疾患の診断: 自己免疫疾患では、自己抗体が産生され、免疫グロブリンの量が増加することがあります。
  • 多発性骨髄腫などの診断: 免疫グロブリンが異常に増加する病気の診断に役立ちます。

免疫グロブリンの種類と基準値

免疫グロブリンには、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5つの主要なクラスがあります。それぞれの基準値は以下の通りです。

  • IgG: 870~1700mg/dL
  • IgA: 110~410mg/dL
  • IgM: 35~230mg/dL
  • IgD: 1~100mg/dL
  • IgE: 20~150IU/mL

これらの基準値は、検査機関や測定方法によって若干異なる場合があります。

基準値より高い場合に疑われる病気

免疫グロブリンの濃度が基準値よりも高い場合、以下の病気が疑われます。

  • IgG高値: 多発性骨髄腫、慢性肝炎、自己免疫疾患など
  • IgA高値: 多発性骨髄腫、肝硬変、慢性感染症など
  • IgM高値: マクログロブリン血症、急性感染症、自己免疫疾患など
  • IgE高値: アレルギー疾患、寄生虫感染症など

これらの病気は、免疫グロブリンの過剰産生を引き起こす可能性があります。

治療法

免疫グロブリン濃度が高い場合の治療法は、原因となる疾患によって異なります。

  • 感染症: 抗菌薬や抗ウイルス薬による治療が行われます。
  • 自己免疫疾患: ステロイド薬や免疫抑制薬による治療が行われます。
  • 多発性骨髄腫: 化学療法や放射線療法、造血幹細胞移植などが行われます。
  • アレルギー疾患: 抗ヒスタミン薬やステロイド薬、免疫療法などが行われます。

免疫グロブリン濃度が高い場合は、医師の診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。

免疫グロブリン濃度検査は、免疫機能の状態を評価し、様々な疾患の診断や治療に役立つ重要な検査です。検査結果について疑問や不安がある場合は、医師に相談するようにしましょう。