C型肝炎ウイルス検査(HCV抗体)

検査でわかること

C型肝炎ウイルス(HCV)は、血液を介して感染し、慢性肝炎や肝硬変、肝がんを引き起こす可能性があります。HCV抗体検査は、過去または現在のHCV感染歴を調べるための血液検査です。

この検査では、HCVに対する抗体の有無を調べます。抗体とは、ウイルスなどの異物から体を守るために作られるタンパク質のことです。HCV抗体が陽性であれば、過去または現在にHCVに感染したことがあることを示します。

ただし、HCV抗体陽性であっても、現在HCVに感染しているとは限りません。過去に感染して自然治癒した場合や、治療によってウイルスが排除された場合も、抗体は陽性となります。

そのため、HCV抗体陽性の場合は、さらに詳しい検査(HCV-RNA検査など)を行い、現在HCVに感染しているかどうかを確認する必要があります。

基準値

HCV抗体検査の基準値は、一般的に「陰性」です。つまり、HCV抗体が検出されないことが正常値となります。

ただし、検査方法や医療機関によって基準値が異なる場合がありますので、検査結果を確認する際には、必ず医療機関の説明を聞くようにしましょう。

基準値より高い場合に疑われる病気

HCV抗体検査で陽性(基準値より高い)の場合に疑われる病気は、以下の通りです。

  • C型慢性肝炎:HCVに感染し、6ヶ月以上にわたって肝臓の炎症が続いている状態です。
  • C型肝硬変:C型慢性肝炎が進行し、肝臓の組織が線維化して硬くなった状態です。
  • 肝がん:C型肝硬変を背景に発生することが多いがんです。

これらの病気は、早期発見・早期治療が重要です。HCV抗体陽性の場合は、必ず医療機関を受診し、必要な検査や治療を受けるようにしましょう。

治療法

C型肝炎の治療法は、近年大きく進歩しました。現在では、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)と呼ばれる薬を服用することで、ほとんどの場合、C型肝炎ウイルスを排除することができます。

DAA治療は、副作用が少なく、治療期間も短いというメリットがあります。ただし、DAAの種類や治療期間は、ウイルスの型や患者さんの状態によって異なります。

C型肝炎の治療について詳しく知りたい場合は、肝臓専門医に相談するようにしましょう。