DXA法でわかること
DXA法は、骨密度を測定する検査方法です。2種類の異なるエネルギーのX線を照射し、骨によるX線の吸収率の差を測定することで、骨の密度を正確に評価します。主に、腰椎、大腿骨、前腕などの骨折リスクが高い部位の骨密度を測定し、骨粗鬆症の診断や治療効果の判定に用いられます。また、全身の骨密度や体組成(脂肪量、筋肉量)を測定することも可能です。
基準値
DXA法による骨密度の基準値は、若年成人(20~44歳)の平均骨密度を100%としたときの割合(YAM:Young Adult Mean)で表されます。一般的に、YAMが80%以上であれば正常、70~80%であれば骨量減少、70%未満であれば骨粗鬆症と診断されます。ただし、基準値は年齢や性別によって異なるため、医師は個々の患者の状況に合わせて総合的に判断します。
基準値より高い場合に疑われる病気
DXA法で骨密度が基準値よりも高い場合、以下の病気が疑われることがあります。
- 骨硬化症:骨密度が異常に増加し、骨が硬くなる病気です。
- 大理石病:遺伝性の骨疾患で、骨密度が著しく増加します。
- 副甲状腺機能亢進症:副甲状腺ホルモンの過剰分泌により、骨密度が増加することがあります。
- 腎性骨異栄養症:慢性腎臓病に伴い、骨代謝異常が生じ、骨密度が増加することがあります。
ただし、骨密度が高いからといって、必ずしもこれらの病気であるとは限りません。医師による診察や他の検査結果と合わせて、総合的に判断する必要があります。
治療法
骨密度が基準値より低い場合(骨粗鬆症や骨量減少)、原因や重症度に応じて、以下のような治療が行われます。
- 薬物療法:骨吸収を抑制する薬(ビスホスホネート製剤、デノスマブなど)や、骨形成を促進する薬(テリパラチドなど)が用いられます。
- 食事療法:カルシウムやビタミンDを豊富に含む食品を積極的に摂取します。
- 運動療法:骨に適切な負荷をかける運動(ウォーキング、筋力トレーニングなど)を行います。
- 生活習慣の改善:禁煙、節酒、転倒予防など、骨の健康を維持するための生活習慣を心がけます。
骨密度が高い場合の治療は、原因疾患によって異なります。例えば、副甲状腺機能亢進症であれば、手術や薬物療法で副甲状腺ホルモンの分泌を抑制します。
DXA法の結果について疑問や不安がある場合は、医師に相談し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。