eGFR検査

eGFR検査でわかること

eGFR(推算糸球体濾過量)は、腎臓が血液中の老廃物をどれくらい効率的にろ過しているかを示す指標です。腎臓には、糸球体という血液をろ過するフィルターのような組織が多数存在します。eGFR検査では、この糸球体の濾過能力を推定することで、腎臓の機能状態を把握することができます。

具体的には、eGFR値が低下している場合、腎臓の機能が低下している可能性が考えられます。eGFR値は、慢性腎臓病(CKD)の診断や病期分類、治療方針の決定などに用いられます。

eGFRの基準値

eGFRの基準値は、一般的に90mL/min/1.73m2以上とされています。しかし、年齢とともに腎機能は低下するため、高齢者では基準値がやや低くなることがあります。

  • 60~89mL/min/1.73m2:軽度の腎機能低下
  • 45~59mL/min/1.73m2:中等度の腎機能低下
  • 30~44mL/min/1.73m2:高度の腎機能低下
  • 15~29mL/min/1.73m2:末期の腎不全
  • 15mL/min/1.73m2未満:透析や腎移植が必要な状態

eGFR値が高い場合に疑われる病気

eGFR値が基準値よりも高い場合は、以下の病気が疑われることがあります。

  • 早期の糖尿病性腎症:糖尿病が原因で腎臓の糸球体が過剰にろ過を行う状態。
  • 高血圧性腎硬化症の初期:高血圧が原因で腎臓の糸球体が過剰にろ過を行う状態。
  • 肥満:肥満に伴い腎臓の糸球体が過剰にろ過を行う状態。
  • その他:甲状腺機能亢進症、妊娠初期など

ただし、eGFR値が高いだけでこれらの病気が確定するわけではありません。他の検査結果や症状と合わせて総合的に判断する必要があります。

治療法

eGFR値が高い場合に疑われる病気の治療法は、原因となる疾患によって異なります。

  • 糖尿病性腎症:血糖コントロール、血圧コントロール、食事療法、薬物療法など。
  • 高血圧性腎硬化症:血圧コントロール、食事療法、薬物療法など。
  • 肥満:食事療法、運動療法、薬物療法など。
  • その他:原因疾患に対する治療

eGFR値が高いと言われた場合は、自己判断せずに医師の診断を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。

eGFRは、腎臓の健康状態を把握するための重要な指標です。定期的な検査と、結果に応じた適切な対応が、腎臓病の早期発見・早期治療につながります。