GPT（ALT）検査とは
GPT（グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ）は、主に肝臓に存在する酵素です。ALT（アラニンアミノトランスフェラーゼ）とも呼ばれます。肝細胞が障害を受けると、GPTが血液中に漏れ出し、血中濃度が上昇します。そのため、GPT検査は肝臓の健康状態を評価するために行われます。
検査でわかること
GPT検査では、血液中のGPT（ALT）の量を測定することで、以下のことがわかります。
- 肝細胞の障害の程度: GPT値が高いほど、肝細胞の障害が進んでいる可能性が高くなります。
- 肝臓の病気のスクリーニング: GPT値の異常は、肝炎、脂肪肝、肝硬変など、さまざまな肝臓の病気の可能性を示唆します。
- 治療の効果判定: 肝臓の病気の治療中にGPT値を測定することで、治療の効果を評価できます。
基準値
GPT（ALT）の基準値は、一般的に以下の通りです。
- 30IU/L以下
ただし、基準値は検査機関や測定方法によって異なる場合があります。
基準値より高い場合に疑われる病気
GPT値が基準値より高い場合、以下の病気が疑われます。
- 急性肝炎: ウイルス性肝炎やアルコール性肝炎など
- 慢性肝炎: B型肝炎、C型肝炎、自己免疫性肝炎など
- 脂肪肝: アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）など
- 肝硬変: 慢性肝炎やアルコール性肝炎などが進行した状態
- 肝臓がん: 肝細胞がん、転移性肝がんなど
- その他: 薬剤性肝障害、心不全、筋肉の病気など
GPT値が高い場合は、他の検査や症状と合わせて総合的に判断する必要があります。
治療法
GPT値が高い場合に疑われる病気の治療法は、原因となる病気によって異なります。
- ウイルス性肝炎: 抗ウイルス薬による治療
- アルコール性肝炎: 禁酒、栄養療法
- 脂肪肝: 食事療法、運動療法、薬物療法
- 肝硬変: 進行を遅らせるための薬物療法、合併症の治療、肝移植
- 肝臓がん: 手術、放射線療法、化学療法、肝動脈化学塞栓療法（TACE）など
GPT値の異常を指摘された場合は、必ず医師の診察を受け、適切な検査と治療を受けるようにしてください。