non-HDLコレステロール

non-HDLコレステロールとは?

non-HDLコレステロールは、血液中の脂質の一種であり、総コレステロールから善玉コレステロール(HDLコレステロール)を差し引いたものです。つまり、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪など、動脈硬化を引き起こす可能性のあるコレステロールの総量を反映します。

検査でわかること

non-HDLコレステロールの検査では、以下のことがわかります。

  • 動脈硬化のリスク評価: non-HDLコレステロール値が高いほど、動脈硬化が進展しやすく、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
  • 脂質異常症の診断: non-HDLコレステロール値は、脂質異常症の診断や病型分類に役立ちます。
  • 治療効果の判定: 脂質異常症の治療を受けている場合、non-HDLコレステロール値を定期的に測定することで、治療効果を判定できます。
  • LDLコレステロールを直接測定できない場合の代替: 中性脂肪値が高い場合などは、LDLコレステロールを直接測定することが困難な場合があります。そのような場合にnon-HDLコレステロール値が有用です。

基準値

non-HDLコレステロールの基準値は、以下の通りです。

  • 150mg/dL未満:正常値
  • 150~169mg/dL:境界域高値
  • 170mg/dL以上:高値

ただし、これらの基準値はあくまで目安であり、年齢や性別、他の危険因子(喫煙、高血圧、糖尿病など)によって目標値が異なる場合があります。詳しくは医師にご相談ください。

基準値より高い場合に疑われる病気

non-HDLコレステロール値が高い場合、以下の病気が疑われます。

  • 脂質異常症: 悪玉コレステロールや中性脂肪が増加し、善玉コレステロールが減少する病気です。
  • 家族性高コレステロール血症: 遺伝的に悪玉コレステロール値が高くなる病気です。
  • 糖尿病: 血糖コントロールが悪いと、悪玉コレステロールや中性脂肪が増加しやすくなります。
  • 甲状腺機能低下症: 甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、悪玉コレステロール値が上昇することがあります。
  • 腎臓病: 腎機能が低下すると、脂質代謝に異常が生じることがあります。
  • 閉塞性肝疾患: 胆汁の分泌が妨げられると、コレステロール値が上昇することがあります。

治療法

non-HDLコレステロール値を下げるためには、以下の治療法があります。

  • 生活習慣の改善: 食事療法、運動療法、禁煙など、生活習慣の改善が基本となります。
    • 食事療法:飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控え、食物繊維や不飽和脂肪酸を積極的に摂取します。
    • 運動療法:有酸素運動を中心に、1日30分以上、週3回以上を目安に行います。
    • 禁煙:喫煙は動脈硬化を促進するため、禁煙が必須です。
  • 薬物療法: 生活習慣の改善だけでは目標値に達しない場合、薬物療法が行われます。
    • スタチン:悪玉コレステロールを低下させる薬
    • フィブラート:中性脂肪を低下させる薬
    • エゼチミブ:コレステロールの吸収を抑制する薬
    • PCSK9阻害薬:悪玉コレステロールを強力に低下させる薬

治療法は、患者さんの状態や他の危険因子を考慮して、医師が個別に判断します。

まとめ

non-HDLコレステロールは、動脈硬化のリスクを評価するために重要な指標です。基準値より高い場合は、生活習慣の改善や薬物療法によって値を下げることが重要です。定期的な検査と医師の指導の下、適切な対策を行いましょう。