RAテスト(リウマトイド因子検査)

RAテスト(リウマトイド因子検査)とは

RAテスト(リウマトイド因子検査)とは、血液中にリウマトイド因子(RF)と呼ばれる自己抗体が存在するかどうかを調べる検査です。リウマトイド因子は、本来は体外から侵入した異物を攻撃する抗体の一種ですが、自己免疫疾患と呼ばれる病気では、自分の体の成分を攻撃してしまうことがあります。

検査でわかること

RAテストでは、以下のことがわかります。

  • リウマトイド因子の有無と量:リウマトイド因子が存在するかどうか、また存在する場合はその量を測定します。
  • 関節リウマチの可能性:リウマトイド因子は、関節リウマチの患者さんの多くで陽性となるため、関節リウマチの可能性を評価するのに役立ちます。ただし、リウマトイド因子が陽性でも、関節リウマチではない場合もあります。
  • その他の疾患の可能性:リウマトイド因子は、関節リウマチ以外の膠原病や感染症などでも陽性となることがあります。

基準値

RAテストの基準値は、一般的に15 IU/mL以下とされています。ただし、検査方法や施設によって基準値が異なる場合がありますので、検査結果の説明をよく聞いてください。

基準値より高い場合に疑われる病気

RAテストで基準値より高い値が出た場合に疑われる病気は、以下の通りです。

  • 関節リウマチ:関節リウマチは、関節に炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす病気です。リウマトイド因子は、関節リウマチの患者さんの70~80%で陽性となります。
  • シェーグレン症候群:シェーグレン症候群は、涙や唾液の分泌が低下し、ドライアイやドライマウスを引き起こす病気です。リウマトイド因子は、シェーグレン症候群の患者さんの60~70%で陽性となります。
  • 全身性エリテマトーデス(SLE):全身性エリテマトーデスは、全身の様々な臓器に炎症が起こる病気です。リウマトイド因子は、全身性エリテマトーデスの患者さんの20~30%で陽性となります。
  • その他の膠原病:リウマトイド因子は、他にも全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎などの膠原病で陽性となることがあります。
  • 感染症:リウマトイド因子は、慢性肝炎、感染性心内膜炎、結核などの感染症でも陽性となることがあります。
  • その他:高齢者や健康な人でも、リウマトイド因子が陽性となることがあります。

治療法

RAテストで基準値より高い値が出た場合の治療法は、原因となる病気によって異なります。

  • 関節リウマチの場合:関節リウマチの治療は、薬物療法が中心となります。メトトレキサートなどの抗リウマチ薬や、生物学的製剤などが使用されます。
  • シェーグレン症候群の場合:シェーグレン症候群の治療は、症状を緩和するための対症療法が中心となります。ドライアイには人工涙液、ドライマウスには保湿剤などが使用されます。
  • 全身性エリテマトーデスの場合:全身性エリテマトーデスの治療は、ステロイド薬や免疫抑制薬などが使用されます。
  • 感染症の場合:感染症の治療は、原因となる病原体に対する抗菌薬や抗ウイルス薬などが使用されます。

RAテストで基準値より高い値が出た場合は、必ず医師の診察を受け、適切な検査と治療を受けてください。