良性発作性頭位めまいの原因と症状

良性発作性頭位めまいとは

良性発作性頭位めまい(びょうせいはっさくせいとういめまい、英: benign paroxysmal positional vertigo、BPPV)は、内耳の前庭器官に異常が起こり、頭位を変えたときに回転性めまいが発生する疾患です。

BPPVの主な症状は、特定の頭位によって発生する回転性めまいであり、頭の位置を変えることでめまいが消失することがあります。また、めまいに伴って吐き気や嘔吐感がある場合があります。BPPVは通常、耳の中のカルシウム結晶が前庭器官内に異常に蓄積することで発生します。

BPPVは一般的には治癒率が高く、特に治療を必要としない場合があります。しかし、症状が持続する場合や重度の場合は、特定の運動療法や手技療法などが必要となる場合があります。治療を受けない場合、BPPVは症状を悪化させたり、不安やうつ病などの精神的な問題を引き起こすことがあります。

良性発作性頭位めまいの症状

良性発作性頭位めまい(BPPV)の主な症状は、頭位を変えたときに発生する回転性めまいです。具体的には、以下のような症状が現れる場合があります。
  1. 突然の回転性めまい:特定の頭位によって、回転性の強いめまいが発生することがあります。立ち上がったり、ベッドから起き上がったり、寝返りをうったりするときなど、頭位を変えることでめまいが引き起こされることが多いです。
  2. 悪心や嘔吐:めまいに伴って、悪心や嘔吐感が現れることがあります。
  3. 軽度の不安感:めまいによって、不安感や心配感が現れることがあります。

BPPVの症状は、一般的に数分から数十秒程度で解消することがありますが、症状が持続する場合もあります。BPPVの症状が現れた場合は、医師に相談して治療を受けることをお勧めします。

良性発作性頭位めまいの原因

良性発作性頭位めまい(BPPV)の主な原因は、内耳の前庭器官にカルシウム結晶が異常に蓄積することです。このカルシウム結晶は通常、耳の中の小さな袋である前庭器官の中にある感覚細胞に固着していますが、何らかの原因で結晶が離れて前庭器官の半規管内に入り込むことがあります。この結晶が半規管内で動いたり、引っかかったりすることで、めまいを引き起こすことがあります。

BPPVが発生する原因には、以下のようなものが挙げられます。

  1. 頭部外傷:頭部を強く打ったり、急な衝撃を受けた場合にBPPVが発生することがあります。
  2. 加齢:年齢とともに、カルシウム結晶が蓄積されやすくなり、BPPVの発症リスクが高くなります。
  3. 内耳の病気:内耳の病気、特にメニエール病などが原因でBPPVが発生することがあります。
  4. その他の要因:特定の頭位での長時間の姿勢、上体を起こすときの首の動きなどがBPPVの原因となることがあります。

BPPVは、一般的に良性で治療すれば症状を改善することができます。しかし、症状が悪化する場合や長期化する場合は、専門医に相談することが必要です。

良性発作性頭位めまいの治療法

良性発作性頭位めまい(BPPV)の治療法には、以下のようなものがあります。
  1. Epley法:内耳のカルシウム結晶を正常な位置に戻すために、患者の頭部を特定の角度で傾けながら、順序通りに位置を変える手技療法です。通常、1〜2回の治療で効果が現れます。
  2. Semont法:Epley法と同様に、内耳のカルシウム結晶を正常な位置に戻すために患者の頭部を特定の角度で傾ける手技療法です。
  3. Brandt-Daroff運動:自宅で行える運動療法で、患者は片側に寝た状態から起き上がり、反対側に寝た状態になるまで、頭を30度傾けながら30秒間ずつ静止します。この運動を2〜3週間続けることで、BPPVの症状を改善することができます。
  4. カルシウム拮抗薬:内耳のカルシウム結晶が蓄積されるのを防ぐために、カルシウム拮抗薬を使用することがあります。

BPPVは一般的に治療が可能であり、治療によって症状を改善できます。ただし、専門医に相談して正しい治療法を選択することが重要です。また、治療中は頭を急に動かすことを避け、安静に過ごすようにすることも重要です。

良性発作性頭位めまいと診断されたら

良性発作性頭位めまい(BPPV)と診断された場合、以下のようなことがお勧めです。
  1. 医師の指示に従う:医師が処方した治療法を正確に守り、医師の指示に従うことが重要です。また、症状や治療の経過を医師に報告することも大切です。
  2. 安静に過ごす:BPPV発作中は、頭を急に動かさず、横になって安静に過ごすことが大切です。特に、起床時やベッドから立ち上がるときには注意が必要です。
  3. 適切な運動療法を行う:Epley法やSemont法など、医師が指示した運動療法を正確に行うことで、BPPVの症状を改善することができます。
  4. 日常生活の見直し:頭を急に動かす姿勢や長時間同じ姿勢を続けることが、BPPVを引き起こす原因となることがあるため、日常生活を見直し、予防することが大切です。
  5. 必要に応じて医療機関を受診する:BPPVは一般的には治療が可能であり、自宅で運動療法を行うこともできます。しかし、症状が悪化したり、治療が効果を示さなかったりする場合は、専門医の診察を受けることが必要です。

BPPVは一般的には治療が可能であり、早期の診断と治療が重要です。医師の指示に従い、適切な治療を受けることで、症状を改善し、日常生活に戻ることができます。

良性発作性頭位めまいの予防法

良性発作性頭位めまい(BPPV)を予防する方法としては、以下のようなことが挙げられます。
  1. 適切な姿勢を保つ:急激な頭の動きを避け、頭を上下左右に動かす際にはゆっくりと動かすように心がけましょう。特に、ベッドから起き上がる際には、まず横向きになってから起き上がるようにします。
  2. 目のケア:目の疲れやストレスを軽減するために、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使う時間を減らし、適度な休憩をとります。
  3. 適度な運動を行う:BPPVは首の筋肉の弱さが原因となることがあるため、適度な運動を行い、首の筋肉を鍛えることが重要です。
  4. 良い睡眠を確保する:十分な睡眠をとり、ストレスを軽減することで、BPPVを予防することができます。
  5. 注意深くなる:BPPVになりやすいと言われる年齢層や病気を持っている人は、定期的に健康診断を受けることが重要です。また、BPPVの症状を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。

以上のような予防方法を実践することで、BPPVの発症を予防することができます。

『カイテキオリゴ』