更年期障害の原因と症状や予防法を詳しく解説

更年期障害と閉経は、密接に関係していますが、同じものではありません。それぞれの関係性を理解することは、更年期を快適に過ごす上で重要です。

閉経とは

• 閉経とは、卵巣の機能が低下し、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌がほとんどなくなり、月経が永久に停止した状態を指します。
• 日本人女性の閉経の平均年齢は50歳前後ですが、個人差が大きく、40代前半で閉経を迎える人もいれば、50代後半になる人もいます。
• 12か月連続して月経がない場合に、閉経と診断されます。

更年期とは

• 閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を「更年期」といいます。
• この時期は、卵巣機能が徐々に低下し、女性ホルモンの分泌量が急激に変動するため、心身にさまざまな不調が現れやすくなります。

更年期障害とは

• 更年期に現れるさまざまな症状の中で、日常生活に支障をきたすほど重いものを「更年期障害」といいます。
• 主な症状としては、ホットフラッシュ（ほてり、のぼせ、発汗）、動悸、めまい、イライラ、不眠、肩こり、腰痛などがあります。
• 症状の程度や現れ方は個人差が大きく、全く症状を感じない人もいれば、日常生活を送るのが困難なほど重い症状に悩まされる人もいます。

更年期障害と閉経の関係

• 更年期障害は、閉経に伴う女性ホルモンの急激な変動が主な原因で起こります。
• 閉経が近づくと、卵巣機能が低下し始め、エストロゲンの分泌量が減少します。
• エストロゲンの減少は、自律神経のバランスを乱し、さまざまな不調を引き起こします。
• つまり、閉経は更年期障害を引き起こす要因の一つであり、更年期障害は閉経に伴って起こりうる症状群といえます。

重要なポイント

• 閉経は、女性ホルモンの減少という体の変化であり、病気ではありません。
• 更年期障害は、閉経に伴うホルモンバランスの乱れによって起こる症状であり、適切な治療や対処法によって症状を緩和することができます。
• 更年期は、女性にとって誰にでも訪れる自然な体の変化です。症状を正しく理解し、適切な対処法を見つけることで、快適に過ごすことができます。

更年期障害は、閉経前後の女性ホルモンの急激な変動によって起こる、心身の様々な不調の総称です。症状や程度には個人差が大きく、日常生活に支障をきたす場合もあります。

主な症状

• 血管運動神経症状
  • ホットフラッシュ（ほてり、のぼせ、発汗）
  • 動悸、息切れ
  • めまい、立ちくらみ
  • 冷え、手足のしびれ
• 精神神経症状
  • イライラ、不安感
  • 気分の落ち込み、うつ
  • 不眠、睡眠障害
  • 集中力低下、記憶力低下
• 運動器症状
  • 肩こり、腰痛
  • 関節痛、筋肉痛
  • 骨粗しょう症
• 泌尿生殖器症状
  • 膣の乾燥、性交痛
  • 頻尿、尿漏れ
• その他の症状
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 消化不良
  • 皮膚の乾燥、かゆみ

症状の現れ方

• これらの症状は、単独で現れることもあれば、複数同時に現れることもあります。
• 症状の程度も、日常生活に支障がない程度の軽いものから、日常生活を送るのが困難なほど重いものまで様々です。
• 症状の現れる期間も、数ヶ月で終わる人もいれば、数年続く人もいます。

症状がつらいと感じたら

更年期障害の症状がつらいと感じたら、我慢せずに医療機関を受診しましょう。婦人科や更年期外来などで相談することができます。

治療法

• ホルモン補充療法（HRT）:
  • 減少した女性ホルモンを補充することで、症状を緩和します。
• 薬物療法:
  • 漢方薬や抗うつ薬、抗不安薬など、症状に合わせた薬が処方されます。
• カウンセリング、心理療法:
  • 精神的な不安や悩みを軽減するためのカウンセリングや心理療法が行われます。
• 生活習慣の改善:
  • バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、生活習慣を見直すことも大切です。

セルフケア

• リラックスできる時間を作る
  • アロマテラピーやヨガ、瞑想などで心身をリラックスさせましょう。
• 適度な運動
  • ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にしましょう。
• 十分な睡眠
  • 規則正しい睡眠習慣を心がけ、質の良い睡眠を取りましょう。
• バランスの取れた食事
  • 大豆イソフラボンなど、女性ホルモンに似た働きをする食品を積極的に摂りましょう。

更年期は、女性にとって誰にでも訪れる自然な体の変化です。症状を正しく理解し、適切な対処法を見つけることで、快適に過ごすことができます。

更年期障害の診断