腸重積症について
腸重積症とは?
腸重積症とは、腸の一部がまるでスコップのように隣り合う腸の中にすっぽりと入り込んでしまう病気です。これにより腸が閉塞し、腸の血液の流れが悪くなり、痛みや吐き気などを引き起こします。特に、生後3ヶ月から2歳までの乳幼児によく見られます。
腸重積症の原因
腸重積症の詳しい原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、以下の要因が考えられています。
- リンパ組織の腫れ: 腸の壁にあるリンパ組織が腫れて、それがきっかけで腸が重なり合うことがあります。
- 腸の異常な動き: 腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)と呼ばれる波のような動きが異常になり、腸が重なり合うことがあります。
- 腸内の腫瘍や異物: 腸内にポリープや異物がある場合、それがきっかけで腸重積が起こることがあります。
腸重積症の症状
腸重積症の主な症状は、以下の通りです。
- 激しい腹痛: 間隔を置いて、数分~数十分おきに繰り返す激しい腹痛が特徴です。
- 嘔吐: 緑色の胆汁を吐くことがあります。
- 血便: 腸の粘膜が傷つき、出血することがあります。
- ぐったりする: 痛みでぐったりしたり、元気がなくなったりします。
- 下痢: 稀に下痢を伴うこともあります。
これらの症状は、突然現れることが多く、赤ちゃんは言葉で痛みを訴えることができないため、ぐずったり、泣き止まないなどの様子で気付くことが多いです。
腸重積症の治療法
腸重積症の治療法としては、以下の方法が一般的です。
- 空気圧整復法: 空気を腸内に送り込み、重なった腸を押し戻す方法です。成功すれば、入院期間が短く済みます。
- 手術: 空気圧整復法がうまくいかない場合や、腸に壊死が見られる場合は、手術を行います。
腸重積症の予防
腸重積症の確実な予防法はまだ確立されていませんが、以下の点に注意することで、リスクを減らすことができます。
- 定期的な健康診断: 小児期には、定期的な健康診断を受けることが大切です。
- 早期発見: 症状が出たら、すぐに医療機関を受診しましょう。
腸重積症の合併症
腸重積症が放置されると、以下の合併症が起こる可能性があります。
- 腸の壊死: 腸の血液の流れが悪くなり、腸が壊死してしまうことがあります。
- 腹膜炎: 腸が破れて、腹膜炎を起こすことがあります。
- 敗血症: 重症になると、敗血症を起こす可能性もあります。
腸重積症になったときの注意点
- 自己判断せず、すぐに医療機関を受診する: 腸重積症は、早期の治療が大切です。
- 医療機関では、医師の指示に従う: 医師の指示に従い、治療を受けましょう。
- 再発に注意する: 腸重積症は、再発することがあります。
まとめ
腸重積症は、乳幼児によく見られる病気ですが、早期に治療すれば、多くの場合、完全に治癒します。しかし、放置すると重篤な状態になる可能性もあるため、症状が出たら、すぐに医療機関を受診することが大切です。
もし、お子さんに上記のような症状が見られた場合は、迷わず小児科を受診してください。