ポリオとは?
ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによって引き起こされる感染症です。主に小児に発症し、重症化すると手足に麻痺が残るなど、生涯にわたる後遺症が残る可能性があります。かつては世界中で流行し、多くの患者を出しましたが、ワクチン接種によってその発生数は大幅に減少しました。
ポリオの原因
ポリオの原因は、ポリオウイルスです。このウイルスは、感染した人の糞便や咽頭分泌物に含まれ、経口感染します。汚染された水や食品を介して感染することもあります。
ポリオの症状
ポリオの症状は、感染した人の免疫状態や年齢によって大きく異なります。
- 無症状: 感染しても約95%の人は、無症状のまま経過します。
- 軽症: 発熱、咽頭痛、頭痛、嘔吐、便秘や下痢などの症状が現れます。
- 神経症状: 脊髄や脳幹の運動神経細胞が破壊され、手足に麻痺が生じます。重症になると呼吸困難や心不全を起こすこともあります。
ポリオの治療法
残念ながら、ポリオに対する特効薬はありません。そのため、対症療法が中心となります。
- 安静: 麻痺の進行を防ぐために安静が必要です。
- リハビリテーション: 麻痺が残った場合は、リハビリテーションによって機能回復を図ります。
- 呼吸補助: 呼吸困難が強い場合は、人工呼吸器などによる呼吸補助が必要になります。
ポリオの予防
ポリオの最も効果的な予防法は、ワクチン接種です。日本では、定期接種としてポリオワクチンが接種されており、そのおかげでポリオはほとんど発生していません。
ポリオに関するQ&A
Q. ポリオは完全に撲滅されたのですか?
A. 残念ながら、ポリオは完全に撲滅されたわけではありません。一部の国や地域では、依然としてポリオウイルスが流行しているため、世界的な根絶を目指した取り組みが続けられています。
Q. ポリオワクチンには副作用はありますか?
A. すべてのワクチンに副作用が起こる可能性がありますが、ポリオワクチンは非常に安全性の高いワクチンです。接種後に発熱や注射部位の痛みなどの軽度の副作用が出る場合がありますが、通常は数日で治まります。
Q. 大人になってからポリオワクチンを接種することはできますか?
A. はい、大人になってからでもポリオワクチンを接種することは可能です。ただし、過去にポリオワクチンを接種したことのある人や、ポリオに感染したことがある人は、医師に相談しましょう。
Q. ポリオはどのくらい感染力が強いのですか?
A. ポリオウイルスは非常に感染力が強く、感染した人の糞便や咽頭分泌物に含まれるわずかなウイルスでも感染する可能性があります。
Q. ポリオはどんな場所で流行しやすいのですか?
A. ポリオは、衛生状態が悪い地域や、ワクチン接種率が低い地域で流行しやすい傾向があります。
まとめ
ポリオは、ワクチン接種によってほとんど発生しなくなりましたが、依然として根絶されていない感染症です。海外旅行に行く際には、事前にポリオワクチン接種を受けておくことが大切です。また、衛生状態の悪い地域では、飲食物に十分注意し、手洗いを徹底するなど、感染予防に努めましょう。