B群連鎖球菌感染症

B群連鎖球菌(GBS)感染症とは?

B群連鎖球菌(Group B Streptococcus、GBS)は、健康な人の腸管や膣に多く存在する細菌の一種です。通常は人体に害を与えることはありませんが、新生児に感染すると、重篤な感染症を引き起こすことがあります。

原因

  • 感染経路: 妊娠中に母親の産道にGBSがおり、出産時に赤ちゃんが感染することが主な原因です。
  • 感染時期: 出産直後から数日以内に発症する「早期発症型」と、出産後数日~数週間後に発症する「遅発型」があります。

症状

  • 早期発症型: 敗血症、肺炎、髄膜炎などが主な症状です。呼吸困難、発熱、食欲不振、元気がないなどの症状が見られます。
  • 遅発型: 髄膜炎、敗血症、中耳炎、関節炎などが主な症状です。

治療法

  • 抗生物質: 感染が確認された場合は、新生児に適切な抗生物質が投与されます。
  • 集中治療: 重症の場合は、集中治療室での治療が必要となることがあります。

予防

  • 妊娠中の検査: 妊娠後期にGBSの検査を行い、陽性の場合には分娩時に予防的な抗生物質投与が行われます。
  • 清潔な環境: 分娩室や新生児室の清潔を保つことが重要です。

Q&A

Q1. GBSはどのくらいの妊婦さんが持っているのですか?

A1. 妊婦さんの約15~20%がGBSを保有していると言われています。

Q2. GBS感染症はどのくらい危険なのですか?

A2. 早期に適切な治療が行われれば、多くの場合、回復します。しかし、治療が遅れると、脳障害や死亡などの重篤な後遺症が残る可能性があります。

Q3. GBS感染症は予防できるのですか?

A3. 妊娠中のGBS検査と、陽性の場合の分娩時の抗生物質投与により、感染のリスクを大幅に減らすことができます。

Q4. GBS感染症は大人にも感染しますか?

A4. 大人でも感染する可能性はありますが、新生児に比べて重症化することは稀です。ただし、高齢者や免疫力が低下している人では、重症化する可能性があります。

Q5. GBS感染症は再発しますか?

A5. 次の妊娠で再度GBSを保有する可能性はあります。そのため、次の妊娠時もGBS検査を受けることが推奨されます。

まとめ

B群連鎖球菌感染症は、新生児にとって重篤な感染症ですが、適切な予防と治療によって、多くの場合、健康に育つことができます。妊婦さんは、GBS検査を受けること、そして医師の指示に従うことが大切です。

ご自身の健康だけでなく、生まれてくる赤ちゃんのためにも、GBS感染症について正しく理解し、予防に努めましょう。

より詳しい情報を知りたい方は、かかりつけの医師にご相談ください。

【注意事項】

  • この情報は一般的な情報であり、個人の症状や状態によって異なります。
  • 医学に関する情報は日々更新されています。最新の情報は、医師にご確認ください。