肩関節周囲炎

肩関節周囲炎とは?

肩関節周囲炎は、肩関節とその周辺の組織に炎症が起こり、痛みや動きの制限が生じる病気です。一般的に「五十肩」と呼ばれることも多く、40代から70代にかけて発症することが多いことから、その名が付けられました。

原因

肩関節周囲炎の明確な原因は解明されていませんが、以下の要因が考えられています。

  • 加齢による組織の変性: 関節包や腱板などの組織が老化し、柔軟性を失うことで炎症が起こりやすくなります。
  • 肩の使いすぎ: 重い物を持ち上げたり、同じ姿勢を長時間続けたりすることで、肩関節に負担がかかり、炎症を引き起こすことがあります。
  • 糖尿病: 糖尿病患者は、肩関節周囲炎になりやすいという報告があります。
  • 甲状腺機能低下症: 甲状腺機能が低下すると、肩関節周囲炎のリスクが高まることがあります。

症状

肩関節周囲炎の症状は、主に以下の通りです。

  • 痛み: 肩だけでなく、腕や首まで痛みが広がることもあります。特に夜間や安静時に痛みが強くなる傾向があります。
  • 動きの制限: 肩を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になります。
  • 拘縮: 肩関節が固まり、動きが制限されます。

これらの症状は、徐々に悪化し、数ヶ月から数年かけて自然に治癒する場合が多いですが、慢性化することもあります。

治療法

肩関節周囲炎の治療法は、症状の程度や患者さんの状態によって異なりますが、一般的には以下の治療法が行われます。

  • 薬物療法: 消炎鎮痛剤、筋肉弛緩剤などが用いられます。
  • 物理療法: 温熱療法、超音波療法、電気療法などが行われ、痛みを軽減し、血行を改善します。
  • 運動療法: 痛みが軽減してきたら、肩関節の動きを回復させるための運動療法を行います。
  • 関節注射: 炎症部位に直接ステロイド剤を注射することで、痛みや炎症を鎮めます。
  • 手術: 保存療法で改善が見られない場合や、合併症を伴う場合は、手術が検討されることがあります。

予防

肩関節周囲炎の予防には、以下の点に注意することが大切です。

  • 肩周りのストレッチ: 日常的に肩周りのストレッチを行うことで、肩関節の柔軟性を維持し、筋肉の緊張を解くことができます。
  • 正しい姿勢: 猫背など、悪い姿勢は肩に負担をかけるため、正しい姿勢を心がけましょう。
  • 肩への負担を避ける: 重い物を持ち上げるときは、膝を曲げて持ち上げ、肩に負担をかけないようにしましょう。
  • 保温: 冷えは肩こりの原因となるため、肩を温めるようにしましょう。
  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高めましょう。

まとめ

肩関節周囲炎は、痛みや動きの制限を引き起こす病気ですが、適切な治療を受けることで改善が見込めます。早期発見・早期治療が大切ですので、肩に痛みを感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

【ご自身の症状について、より詳しく知りたい方は、医師にご相談ください。】

その他

肩関節周囲炎に関する情報は、インターネット上にも多く存在します。しかし、インターネット上の情報だけで自己診断や自己治療を行うことは避け、必ず医師の診断を受けてください。

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【注意事項】 この情報は、一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。