伝染性軟属腫

概要

伝染性軟属腫は、ポックスウイルスの一種が原因で起こる感染症で、一般的には「水いぼ」と呼ばれています。主に小児に多くみられますが、大人でも感染することがあります。特徴的なのは、皮膚に小さなドーム状の盛り上がり(いぼ)ができることです。

原因

伝染性軟属腫の原因は、伝染性軟属腫ウイルスです。このウイルスは、直接の接触や間接的な接触によって感染します。

  • 直接接触: 水いぼに触れたり、掻いた手で他の部位を触ったりすることで感染します。
  • 間接接触: 感染者のタオルや衣類などを介して感染することもあります。

症状

  • 皮膚に小さな盛り上がり: 1~5mm程度の大きさで、表面がつるつるして光沢のあるドーム状の盛り上がり(いぼ)ができます。
  • かゆみ: 軽いかゆみを感じる場合がありますが、無症状の場合もあります。
  • 数が多い: 単独でできることもありますが、数個から数十個が集まってできることもあります。
  • 部位: 体幹、四肢、顔などにできやすいですが、どこでもできる可能性があります。

治療法

伝染性軟属腫は、自然に治ることもありますが、長引く場合や、数が多くて気になる場合は、治療が必要になることがあります。

治療法の種類

  • 自然経過を待つ: 免疫力が正常な小児では、半年から数年で自然に治癒することが多いです。
  • 外用療法: いぼを直接刺激して、体内の免疫反応を促す外用薬(イミキモドクリームなど)が用いられます。
  • 凍結療法: 液体窒素でいぼを凍らせて壊死させる方法です。
  • 摘出: ピンセットやメスでいぼを直接摘出する方法です。
  • レーザー治療: レーザーでいぼを焼灼する方法です。

治療の注意点

  • 再発: 治療後も再発することがあります。
  • 感染: 治療の際に、他の部位にウイルスが広がる可能性があります。

予防

  • 清潔な状態を保つ: 手をよく洗い、爪を短く切るなど、清潔な状態を保ちましょう。
  • 共有物を避ける: タオルや衣類などの共有は避けましょう。
  • プールやお風呂での注意: 公共のプールやお風呂に入る際は、清潔な水着を着用し、シャワーを浴びるようにしましょう。
  • 免疫力の低下を防ぐ: 規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠をとることで、免疫力を高めましょう。

まとめ

伝染性軟属腫は、自然に治ることもありますが、治療が必要な場合もあります。治療法は、いぼの数や場所、患者さんの年齢や状態によって異なります。もし、水いぼに気づいたら、皮膚科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

その他

  • アトピー性皮膚炎との関連: アトピー性皮膚炎の子どもは、水いぼができやすい傾向があります。
  • 性器にできる場合: 성器に水いぼができる場合は、性感染症の検査を受ける必要があります。

注意: この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状態については、医師にご相談ください。

『カイテキオリゴ』