概要
急性出血性結膜炎は、エンテロウイルス70(EV70)やコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)といったウイルスが原因で起こる、非常に感染力の強い目の炎症です。別名「アポロ病」とも呼ばれ、主に夏場に流行することが知られています。
原因
急性出血性結膜炎は、主に以下のウイルスによって引き起こされます。
- エンテロウイルス70(EV70): 急性出血性結膜炎の主な原因ウイルスです。
- コクサッキーウイルスA24変異株(CA24v): EV70と並んで、急性出血性結膜炎の原因ウイルスとして知られています。
これらのウイルスは、感染した人の目や鼻の分泌物、手指などを介して、直接または間接的に他の人に感染します。
症状
急性出血性結膜炎の主な症状は以下の通りです。
- 眼痛: 非常に強い痛みを感じることが特徴です。
- 異物感: 目に何かが入っているような異物感がします。
- 充血: 結膜が赤く充血し、特に結膜下出血が見られることがあります。
- 眼瞼浮腫: まぶたが腫れてしまうことがあります。
- 眼脂: 目やにがたくさん出ることもあります。
- 羞明: 光が眩しく感じます。
- 結膜濾胞: 結膜に小さな粒のようなものができます。
これらの症状は、通常、片方の目から始まり、その後、両方の目に症状が広がることもあります。
治療法
急性出血性結膜炎の治療は、対症療法が中心となります。
- 点眼薬: 抗炎症作用のある点眼薬や、充血を抑える点眼薬などが処方されます。
- 冷罨法: 冷湿布などで目を冷やすことで、炎症を抑えることができます。
- 安静: 目を休ませ、刺激となることを避けることが大切です。
注意: 急性出血性結膜炎は、ウイルス感染症であるため、抗生物質は効果がありません。
予防
急性出血性結膜炎の予防には、以下の点に注意することが大切です。
- 手洗いの徹底: こまめな手洗いは、感染予防の基本です。
- 眼に触れない: 目をこすったり、手で触ったりしないようにしましょう。
- タオルやハンカチの共有を避ける: 個人用の清潔なタオルやハンカチを使用しましょう。
- プールやお風呂場の共有を避ける: プールやお風呂場で目をこすったり、顔を洗ったりしないようにしましょう。
- 流行期には人混みを避ける: 感染者が増えている時期には、人混みを避けるようにしましょう。
Q&A
Q. 急性出血性結膜炎はどのくらいの期間で治りますか?
A. 通常、1週間程度で症状は改善しますが、個人差があります。
Q. 急性出血性結膜炎は再発しますか?
A. 再発することはあります。一度感染すると、ある程度の免疫はつきますが、別の型に感染する可能性もあります。
Q. コンタクトレンズは使用できますか?
A. 感染中はコンタクトレンズの使用を避け、眼鏡を使用するようにしましょう。
Q. 急性出血性結膜炎は重症化することがありますか?
A. 通常は重症化することはありませんが、まれに角膜炎や虹彩炎などの合併症を起こすことがあります。
Q. 小児に多い病気ですか?
A. 特に年齢制限はなく、どなたでも感染する可能性があります。しかし、子どもは大人に比べて免疫力が低いことから、感染しやすい傾向にあります。
まとめ
急性出血性結膜炎は、非常に感染力の強い目の病気ですが、適切な治療と予防を行うことで、重症化を防ぐことができます。症状が出たら、早めに眼科を受診し、医師の指示に従って治療を受けることが大切です。