ロタウイルス感染症

概要

ロタウイルス感染症は、ロタウイルスというウイルスが原因で起こる急性胃腸炎です。主に乳幼児に多くみられ、激しい下痢や嘔吐を伴うことが特徴です。世界中で年間数百万人の乳幼児がロタウイルス感染症にかかり、その多くが発展途上国で発生しています。

原因

ロタウイルスは、感染した人の便に大量に含まれており、これが口に入ることによって感染します。主な感染経路は以下の通りです。

  • 経口感染: 汚染された手や物に触れた後、口に手を入れ感染する。
  • 飛沫感染: 感染者の嘔吐物や飛沫を吸い込むことで感染する。

症状

主な症状は、以下の通りです。

  • 激しい水様の下痢: 最も特徴的な症状で、1日に数回から十数回の下痢を繰り返します。
  • 嘔吐: 下痢と同時に、激しい嘔吐が起こります。
  • 発熱: 微熱から高熱まで、様々な程度の発熱がみられます。
  • 腹痛: お腹が痛むことがあります。
  • 脱水症状: 下痢と嘔吐によって体内の水分が失われ、脱水症状を起こすことがあります。

治療法

ロタウイルス感染症の特効薬はなく、対症療法が中心となります。

  • 水分補経: 下痢や嘔吐によって失われた水分を補給することが重要です。経口補水液や電解質飲料などをこまめに飲ませましょう。
  • 食事療法: 下痢が落ち着くまでは、消化の良いものを少量ずつ与えましょう。
  • 薬物療法: 発熱や吐き気、腹痛に対して、解熱剤や吐き気止めなどが処方されることがあります。

予防

  • ワクチン接種: ロタウイルスワクチンは、重症化を防ぐ効果が期待できます。
  • 手洗いの徹底: 食事の前やオムツ交換の後など、こまめな手洗いを心掛けましょう。
  • 感染者の隔離: 感染した場合は、他の家族との接触を避け、部屋を清潔に保ちましょう。
  • おもちゃや食器の消毒: 感染者が触れたおもちゃや食器は、熱湯消毒を行いましょう。

Q&A

Q. ロタウイルス感染症は大人にも感染しますか?

A. 大人でも感染する可能性はありますが、乳幼児に比べると症状が軽症で済むことが多いです。

Q. ロタウイルス感染症はどの季節にかかりやすいですか?

A. 冬場に流行する傾向があります。

Q. ロタウイルスワクチンはどの時期に接種するのが良いですか?

A. 生後2ヶ月から接種を開始し、スケジュールに従って数回接種します。

Q. ロタウイルス感染症にかかったら、いつまで隔離すれば良いですか?

A. 症状が治まってから数日間は、感染力が残っている可能性があるため、他の人の手を汚さないよう注意しましょう。

Q. ロタウイルス感染症は再感染しますか?

A. 再感染する可能性はあります。

まとめ

ロタウイルス感染症は、乳幼児に多い感染性の胃腸炎です。激しい下痢や嘔吐が特徴で、脱水症状を起こすこともあるため、注意が必要です。予防には、ワクチン接種や手洗いの徹底が大切です。

もし、お子様がロタウイルス感染症にかかったと思われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

ご自身の判断で治療を中断したり、別の薬を使用したりすることは避け、必ず医師の指示に従ってください。